[I-P20-01] 開胸下oval patch lead によるICD植込み術を施行した2乳児例
キーワード:ICD, 乳児, oval patch lead
【はじめに】
致死性不整脈による心臓突然死のリスクが高い場合、ICD植込みが適応となるが、小児では体格による埋め込み方法や、その後の成長によるリード不全、収縮性心膜炎等が問題となる。しかし、現在まで定まったICDの植込み方法はない。今回我々は、1歳未満で致死性不整脈を発症した乳児2例に対し、開胸下でoval patch型の除細動リードを心外膜に留置する方法でICD埋め込みを行った。
【方法】
胸骨正中切開下を置き、肺静脈の圧迫に注意しながら左胸腔内に留置を行った。前面は心外膜に縫着する形で、それ以外は左肺と心外膜の間に挟み込む形にoval patch 型の除細動リードを留置した。右室下面にステロイドコーティングされたペーシングリードを留置し、右腹横筋と内腹斜筋の間に広げたポケットにICDジェネレーターを留置した。
【症例1】
生後2か月時にVfとなり蘇生。QT延長症候群と診断。生後4か月, 5.8kgで上記の方法でICD植込みを行った。15年後、β遮断薬を調整中にVfが発生しICDが作動した。現在16歳。これまで収縮性心膜炎の発症はなく、定期検診でリード不全やICDの不適切作動は認めていない。
【症例2】
生後10か月時にVfとなり蘇生。1歳時, 9.5Kgで上記の方法で開胸下にICD植込みを行った。アミオダロンを開始し退院となったが、術後3週間でICDが作動した。発症時の心電図波形からShort coupled variant of torsade de pointsと診断し、ベラパミルを開始後VT/Vfは消失した。現在2歳。これまで収縮性心膜炎の発症はなく、定期検診でリード不全やICDの不適切作動は認めていない。
【まとめ】
乳児期に致死性不整脈を認めた2例に対して、oval patch 型の除細動リードを左胸腔内に留置する方法でICDを植込み、収縮性心膜炎やリード不全を生じることなく、遠隔においても適切な作動が可能であった。体格の小さい小児においても、本法は安全で効果的なICDの植込み方法であると考えられる。
致死性不整脈による心臓突然死のリスクが高い場合、ICD植込みが適応となるが、小児では体格による埋め込み方法や、その後の成長によるリード不全、収縮性心膜炎等が問題となる。しかし、現在まで定まったICDの植込み方法はない。今回我々は、1歳未満で致死性不整脈を発症した乳児2例に対し、開胸下でoval patch型の除細動リードを心外膜に留置する方法でICD埋め込みを行った。
【方法】
胸骨正中切開下を置き、肺静脈の圧迫に注意しながら左胸腔内に留置を行った。前面は心外膜に縫着する形で、それ以外は左肺と心外膜の間に挟み込む形にoval patch 型の除細動リードを留置した。右室下面にステロイドコーティングされたペーシングリードを留置し、右腹横筋と内腹斜筋の間に広げたポケットにICDジェネレーターを留置した。
【症例1】
生後2か月時にVfとなり蘇生。QT延長症候群と診断。生後4か月, 5.8kgで上記の方法でICD植込みを行った。15年後、β遮断薬を調整中にVfが発生しICDが作動した。現在16歳。これまで収縮性心膜炎の発症はなく、定期検診でリード不全やICDの不適切作動は認めていない。
【症例2】
生後10か月時にVfとなり蘇生。1歳時, 9.5Kgで上記の方法で開胸下にICD植込みを行った。アミオダロンを開始し退院となったが、術後3週間でICDが作動した。発症時の心電図波形からShort coupled variant of torsade de pointsと診断し、ベラパミルを開始後VT/Vfは消失した。現在2歳。これまで収縮性心膜炎の発症はなく、定期検診でリード不全やICDの不適切作動は認めていない。
【まとめ】
乳児期に致死性不整脈を認めた2例に対して、oval patch 型の除細動リードを左胸腔内に留置する方法でICDを植込み、収縮性心膜炎やリード不全を生じることなく、遠隔においても適切な作動が可能であった。体格の小さい小児においても、本法は安全で効果的なICDの植込み方法であると考えられる。