[I-P21-05] 血小板分布幅と平均血小板容積は先天性心疾患における心不全の重症度と予後に関係する
Keywords:血小板, 心不全, 成人先天性心疾患
【背景】心不全では多様な要因で血小板活性化がおき血栓を形成しやすいと言われている。その結果、幼弱な血小板が増加し平均血小板容積(Mean Platelet Volume:MPV)および血小板分布幅(Platelet Distribution Width: PDW)の上昇がおきる。PDW、MPVは肺高血圧、心筋梗塞の重症度や予後に関する報告はあるが、先天性心疾患における報告は少ない。今回、先天性心疾患患者において、MPV、PDWとの関連因子、心不全重症度および治療での変化、予後との関係について検討した。
【方法および結果】後方視的検討。対象は2015年から2016年までの間に当科に入院した213名。年齢中央値は32歳(12-76歳)で男性が49%、単心室群が36%、チアノーゼ群が14%であった。MPV、PDWは多変量解析でlogBNP, Hemoglobin, WBCと相関した。両者は、単心室群、チアノーゼ群、男性で高値で、術式ではAPC-Fontan群、TCPC群、シャント手術群で高値であった。また、心不全治療の前後で両者は有意に低下した(MPV:前11.3±1.1、後10.6±1.1, PDW:前14.6±2.4、後12.9±1.3)。Kaplan Meier法ではPDW高値群で退院後の心不全入院の率が有意に高く、ROC曲線ではcut offは15.1(AUC 0.72, 感度70%、特異度81 %)であった。
【結論】先天性心疾患患者において、MPV、PDWは単心室循環、チアノーゼ、男性、多血の患者で有意に高値であり、心不全の重症度、治療効果を反映する。また、PDWは予後予測にも有用である可能性がある。
【方法および結果】後方視的検討。対象は2015年から2016年までの間に当科に入院した213名。年齢中央値は32歳(12-76歳)で男性が49%、単心室群が36%、チアノーゼ群が14%であった。MPV、PDWは多変量解析でlogBNP, Hemoglobin, WBCと相関した。両者は、単心室群、チアノーゼ群、男性で高値で、術式ではAPC-Fontan群、TCPC群、シャント手術群で高値であった。また、心不全治療の前後で両者は有意に低下した(MPV:前11.3±1.1、後10.6±1.1, PDW:前14.6±2.4、後12.9±1.3)。Kaplan Meier法ではPDW高値群で退院後の心不全入院の率が有意に高く、ROC曲線ではcut offは15.1(AUC 0.72, 感度70%、特異度81 %)であった。
【結論】先天性心疾患患者において、MPV、PDWは単心室循環、チアノーゼ、男性、多血の患者で有意に高値であり、心不全の重症度、治療効果を反映する。また、PDWは予後予測にも有用である可能性がある。