[I-P24-02] 初診時の低IgGは不全型川崎病と頸部リンパ節炎の早期鑑別に有用な指標となりえるか?
Keywords:不全型川崎病, 頸部リンパ節炎, 冠動脈病変
【背景】初診時既に冠動脈病変(CAD)を合併した不全型川崎病(iKD; incomplete KD)を時折経験する.CAD回避にはiKDの早期診断が肝要だが,特に病初期は,頸部リンパ節腫脹を伴うiKD(L-iKD)と頸部リンパ節炎(CL: cervical lymphadenitis)の鑑別にしばしば難渋する
【目的】L-iKDとCLの早期鑑別に有用かつ簡便に利用可能な臨床・検査所見を検索する
【対象と方法】対象:2015-2018年に当院で加療したL-iKDとCL.診断基準: L-iKD; 1)頸部リンパ節腫脹を含むKD主症状4項目以下かつCADなし,または2)主症状3項目以下かつ経過中にCAD合併.CL; 頸部リンパ節腫脹と発熱を伴うがKD治療を行わずに解熱.初診時にCADを認めたL-iKD2例は除外.患者背景,診断病日,KD主症状の有無,CADの有無,初診時のWBC,好中球分画,Ht,Plt,凝固能,AST,ALT,T-bil,D-bil,Na,CRP,TP,Alb,γグロブリン,咽頭後壁間隙(造影CT)の有無,治療を後方視的に調査し両群で比較した.解析ソフトはRを使用しp<0.05を有意とした
【結果】L-iKD 34例(男23),CL 42例(男24).年齢はL-iKD 2.1歳[0.7-10.8](中央値[範囲]),CL 5.3歳[0.4-14.5]でL-iKDが有意に低年齢だった(p<0.01).L-iKDの診断日(=治療開始日)は第5病日(3-11), CLの診断日(=解熱日)は第7病日(2-21). KD主症状はL-iKDで4/6(2-4),CLで2/6(1-4).治療; IVIG単独27例,IVIG+ステロイド併用療法4例,IVIG未使用3例(以上L-iKD),穿刺排膿4例(CL).L-iKD 7例にCADを合併(全て一過性拡張[Z-score>3かつ<5]).両群の比較ではL-iKDで初診時のIgGが低かった(L-iKD 694 [246-1224], CL 1023 [536-2672], p<0.01).造影CTではL-iKDで咽頭後壁間隙に低吸収域を伴う傾向があった.一方,KD診断に有用と考えられているPltやCRP,AST,T-ibl,Albは初診時には有意差を認めなかった
【結語】初診時の低IgGはL-iKDとCLの早期鑑別に有用な可能性がある
【目的】L-iKDとCLの早期鑑別に有用かつ簡便に利用可能な臨床・検査所見を検索する
【対象と方法】対象:2015-2018年に当院で加療したL-iKDとCL.診断基準: L-iKD; 1)頸部リンパ節腫脹を含むKD主症状4項目以下かつCADなし,または2)主症状3項目以下かつ経過中にCAD合併.CL; 頸部リンパ節腫脹と発熱を伴うがKD治療を行わずに解熱.初診時にCADを認めたL-iKD2例は除外.患者背景,診断病日,KD主症状の有無,CADの有無,初診時のWBC,好中球分画,Ht,Plt,凝固能,AST,ALT,T-bil,D-bil,Na,CRP,TP,Alb,γグロブリン,咽頭後壁間隙(造影CT)の有無,治療を後方視的に調査し両群で比較した.解析ソフトはRを使用しp<0.05を有意とした
【結果】L-iKD 34例(男23),CL 42例(男24).年齢はL-iKD 2.1歳[0.7-10.8](中央値[範囲]),CL 5.3歳[0.4-14.5]でL-iKDが有意に低年齢だった(p<0.01).L-iKDの診断日(=治療開始日)は第5病日(3-11), CLの診断日(=解熱日)は第7病日(2-21). KD主症状はL-iKDで4/6(2-4),CLで2/6(1-4).治療; IVIG単独27例,IVIG+ステロイド併用療法4例,IVIG未使用3例(以上L-iKD),穿刺排膿4例(CL).L-iKD 7例にCADを合併(全て一過性拡張[Z-score>3かつ<5]).両群の比較ではL-iKDで初診時のIgGが低かった(L-iKD 694 [246-1224], CL 1023 [536-2672], p<0.01).造影CTではL-iKDで咽頭後壁間隙に低吸収域を伴う傾向があった.一方,KD診断に有用と考えられているPltやCRP,AST,T-ibl,Albは初診時には有意差を認めなかった
【結語】初診時の低IgGはL-iKDとCLの早期鑑別に有用な可能性がある