[I-P25-03] 左室流出路狭窄を伴う大動脈縮窄/大動脈弓離断の治療戦略
Keywords:大動脈縮窄, 大動脈弓離断, 左室流出路狭窄
【背景】大動脈縮窄・離断(CoA/IAA)の治療には左室流出路狭窄が大きく影響し、Yasui手術を目指さなければいけない症例も存在する。
【目的・方法・対象】当院ではCoA/IAAに対して、出生時の大動脈(A)弁輪径が70%以下の場合、一期根治術を避け、両側肺動脈絞扼術(Bil.PAB)を行い、A弁の評価を先延ばしにしている。2006年3月~2019年1月の間に二心室修復が可能と判断されたCoA/IAAのうちA弁輪径 80%N以下であった症例をカルテを後方視的に調べ、A弁温存群(A群)とYasui手術群(Y群)にわけ、エコーでのA弁形態やA弁輪径の変化、治療の経過を検討した。
【結果】対象は21例、A群16例、Y群5例であった。CoA 13例(A群12/Y群1 以下同様)、IAA 8例(4/4)。Bil.PABは5例(1/4)に施行。大動脈二尖弁は4例(2/2)であった。A群の初期A弁輪径は4.6±0.4mm(74.9±4.9%N)、ICR前7.8±1.9mm(88.4±8.4%N)であった。一方Y群では初期A弁輪径3.4±0.3mm(55.6±6.8%N)、ICR前4.7±0.8mm(60±6.0%N)であり、Y群の方が初期A弁輪径は有意に小さく(p<0.01)、ICR前A弁輪径も小さかった(p<0.01)。Bil.PABで待機した症例とarch repairした症例では心内修復前後でのA弁輪径の増大率に差はなかった。(p=1.0)。またYasui手術を行ったものの、NeoA弁逆流のためKonno手術となった症例や、A弁を温存したものの、後にMyers手術が必要となった症例もあった。
【考察】Yasui手術となった症例は全例初期A弁輪径が65%N以下であり、bil.PAB後もA弁輪の成長はごくわずかであった。一方70%N以上の症例は全例A弁を温存できた。大動脈二尖弁の症例は少数であり、検討は困難であった。A弁輪だけではなく、arch全体の評価や肺動脈弁の評価も重要であると思われた。
【結語】初期A弁輪径が70%N以下の症例の場合、Yasui手術となる可能性が高い。また初期A弁輪径70%N以下の症例で、bil.PABを行っても、A弁輪径の増大は乏しかった。またarch全体の評価が重要と思われた。
【目的・方法・対象】当院ではCoA/IAAに対して、出生時の大動脈(A)弁輪径が70%以下の場合、一期根治術を避け、両側肺動脈絞扼術(Bil.PAB)を行い、A弁の評価を先延ばしにしている。2006年3月~2019年1月の間に二心室修復が可能と判断されたCoA/IAAのうちA弁輪径 80%N以下であった症例をカルテを後方視的に調べ、A弁温存群(A群)とYasui手術群(Y群)にわけ、エコーでのA弁形態やA弁輪径の変化、治療の経過を検討した。
【結果】対象は21例、A群16例、Y群5例であった。CoA 13例(A群12/Y群1 以下同様)、IAA 8例(4/4)。Bil.PABは5例(1/4)に施行。大動脈二尖弁は4例(2/2)であった。A群の初期A弁輪径は4.6±0.4mm(74.9±4.9%N)、ICR前7.8±1.9mm(88.4±8.4%N)であった。一方Y群では初期A弁輪径3.4±0.3mm(55.6±6.8%N)、ICR前4.7±0.8mm(60±6.0%N)であり、Y群の方が初期A弁輪径は有意に小さく(p<0.01)、ICR前A弁輪径も小さかった(p<0.01)。Bil.PABで待機した症例とarch repairした症例では心内修復前後でのA弁輪径の増大率に差はなかった。(p=1.0)。またYasui手術を行ったものの、NeoA弁逆流のためKonno手術となった症例や、A弁を温存したものの、後にMyers手術が必要となった症例もあった。
【考察】Yasui手術となった症例は全例初期A弁輪径が65%N以下であり、bil.PAB後もA弁輪の成長はごくわずかであった。一方70%N以上の症例は全例A弁を温存できた。大動脈二尖弁の症例は少数であり、検討は困難であった。A弁輪だけではなく、arch全体の評価や肺動脈弁の評価も重要であると思われた。
【結語】初期A弁輪径が70%N以下の症例の場合、Yasui手術となる可能性が高い。また初期A弁輪径70%N以下の症例で、bil.PABを行っても、A弁輪径の増大は乏しかった。またarch全体の評価が重要と思われた。