[I-P28-02] Bicuspid PTFE valveを用いた右室流出路形成術(Nunn法)の中長期成績
キーワード:Fallot四徴, Nunn手術, 肺動脈弁機能
【目的】Fallot四徴症(TF)と類縁疾患に対するBicuspid PTFE valveを用いた右室流出路形成術(Nunn法)の中長期成績を評価する.
【対象と方法】2007年1月から2017年12月にNunn法による心内修復術を施行した連続38例を後方視的に検討した.Nunn法の適応基準は肺動脈弁輪径の対正常値≦70%とした.手術時年齢は2ヵ月~14歳(中央値 1歳8ヵ月),体重は4.2~36.8kg(中央値 9.0 kg).診断はTF/TF型DORV 37例(PA 9例,Absent PAV 1例),PA/IVS 1例.術後観察期間は1年1ヵ月~11年5ヵ月(中央値 6年7ヵ月).
【結果】追加/再手術を5例(術後28日:血栓除去+左肺動脈形成,術後28日:遺残VSD閉鎖,術後3ヵ月:末梢肺動脈形成,術後10ヵ月:ペースメーカ植え込み,術後3年2ヵ月:右室流出路再建),経皮的肺動脈形成術を8例に行った.死亡は術後3年4ヵ月の1例(敗血症)で,心臓関連死はなかった.直近の胸部X線写真でCTR 0.46~0.60(中央値 0.53),心電図のQRS幅は0.076~0.174秒(中央値 0.130秒),血清BNP値は7~309pg/ml(中央値31pg/ml)であった.心エコー検査で再建肺動脈弁輪径は対正常値85~156%(中央値 119%),最大圧較差は0~70mmHg(中央値 24mmHg),右室圧/左室圧比は0.20~1.0(中央値 0.40),肺動脈弁逆流はtrivial 2例,mild 33例,moderate 3例.逆流率は13~85%(中央値 27%,>50%:5例),三尖弁輪径は対正常値74~127%(中央値 100%)であった.心臓カテーテル検査で肺動脈弁前後の圧較差は2~45mmHg(中央値 14mmHg),右室圧/左室圧比は0.23~1.0(中央値 0.49),RVEDVは44~144 mL/m2中央値 71mL/m2)であった.
【考察と結論】逆流率が高かった症例は肺高血圧や高度な末梢肺動脈狭窄を合併し,弁の可動性が低下していた.Nunn法の再建肺動脈弁は作製が容易で,従来の一弁付パッチと比べ逆流制御に優れ,長期にわたる右室機能維持と治療成績向上の可能性が示唆された.
【対象と方法】2007年1月から2017年12月にNunn法による心内修復術を施行した連続38例を後方視的に検討した.Nunn法の適応基準は肺動脈弁輪径の対正常値≦70%とした.手術時年齢は2ヵ月~14歳(中央値 1歳8ヵ月),体重は4.2~36.8kg(中央値 9.0 kg).診断はTF/TF型DORV 37例(PA 9例,Absent PAV 1例),PA/IVS 1例.術後観察期間は1年1ヵ月~11年5ヵ月(中央値 6年7ヵ月).
【結果】追加/再手術を5例(術後28日:血栓除去+左肺動脈形成,術後28日:遺残VSD閉鎖,術後3ヵ月:末梢肺動脈形成,術後10ヵ月:ペースメーカ植え込み,術後3年2ヵ月:右室流出路再建),経皮的肺動脈形成術を8例に行った.死亡は術後3年4ヵ月の1例(敗血症)で,心臓関連死はなかった.直近の胸部X線写真でCTR 0.46~0.60(中央値 0.53),心電図のQRS幅は0.076~0.174秒(中央値 0.130秒),血清BNP値は7~309pg/ml(中央値31pg/ml)であった.心エコー検査で再建肺動脈弁輪径は対正常値85~156%(中央値 119%),最大圧較差は0~70mmHg(中央値 24mmHg),右室圧/左室圧比は0.20~1.0(中央値 0.40),肺動脈弁逆流はtrivial 2例,mild 33例,moderate 3例.逆流率は13~85%(中央値 27%,>50%:5例),三尖弁輪径は対正常値74~127%(中央値 100%)であった.心臓カテーテル検査で肺動脈弁前後の圧較差は2~45mmHg(中央値 14mmHg),右室圧/左室圧比は0.23~1.0(中央値 0.49),RVEDVは44~144 mL/m2中央値 71mL/m2)であった.
【考察と結論】逆流率が高かった症例は肺高血圧や高度な末梢肺動脈狭窄を合併し,弁の可動性が低下していた.Nunn法の再建肺動脈弁は作製が容易で,従来の一弁付パッチと比べ逆流制御に優れ,長期にわたる右室機能維持と治療成績向上の可能性が示唆された.