[I-P28-03] 新しくデザインされたGraham Nunn valved conduitの短期成績
キーワード:modified Graham Nunn valved conduit, 右室-肺動脈流出路再建, PS/PR
【背景】乳児期に右室-肺動脈流出路再建を要する先天性心疾患は多いが、未だ小口径の肺動脈位人工弁もしくは弁付き人工血管の遠隔成績には問題がある。理論的には3弁構造が有利だが、構造が複雑でSuture lineや異物量が多く、小口径のでは可動性が低下した際の狭窄発生が問題となる。1弁であると構造は単純で、導管サイズが小さくとも良好な可動性を維持できる考え、Graham Nunnが報告した1弁パッチをもとに新しく弁付き導管(modified Graham Nunn valved conduit: GN conduit)を開発し、実験ではその有用性が示唆された(鈴木ら、2018年日本人工臓器学会総会)。【目的】新しくデザインされた1弁付きGN conduitの臨床経験としてその短期成績を報告する。【方法】当院でGN conduitを挿入した4症例について、conduitサイズ、術後の肺動脈弁狭窄(PS)、逆流(PR)など短期成績について調べた。【結果】手術時の平均年齢1歳11か月(8か月-2歳9か月)、平均体重7.9kg(6.3kg-9.3kg)、男児3名、女児1名であった。原疾患はd-TGA PA 、DORV CoASAS、PTA(II)、IAA(B) VSD、各1例であり、挿入したconduitサイズは14mm(1名),16mm(2名)、18mm(1名)であった。術後1年時点でのエコー検査で、PRはtrivial-mild、mPA流速の平均値1.7m/sでConduit内の狭窄を認めていない。全員外来フォロー中である。【考察】 今回使用した径14-18mmのGN conduitの短期成績は良好であった。今後長期成績を検討し、10-12mmの小口径GN conduit使用を検討したい。【結論】modified Graham Nunn valved conduitは低体重、低年齢の症例に安全に使用可能で、長期的の弁機能維持、再手術回避を期待できる可能性がある。