[I-PD01-01] 熊本地震時における重症患者対応について
キーワード:災害, 重症患者, 熊本地震
熊本赤十字病院(当院)は基幹災害拠点病院にされており、その中の「こども医療センター」部門にPICU(小児集中治療室)を持っている。当院のPICUは2012年5月1日に開設され、救急疾患対応を主軸として小児の内因・外因を問わない小児の救急疾患を中心に年間約350人の入室がある。また熊本地震当時、小児循環器疾患に対しては熊本市立熊本市民病院(熊本市民病院)が心臓手術を含め多く対応していた。
2016年4月14日と4月16日に熊本は2度の大地震に襲われた。小児医療に関しては熊本の小児医療の中枢を担う2病院の機能が「突然」に失われた。大規模なNICUと小児循環器内科・小児心臓外科を持つ熊本市民病院が機能を喪失するということは、様々な基礎疾患を持つ小児患者が行き場を失い当院を受診する可能性が高く、熊本市周辺の小児救急患者を東西で当院と二分する熊本地域医療センターが機能を喪失するということは熊本市周辺の全小児救急患者が当院を受診する可能性が高いと考えた。
そのような状況でPICUを内包する当院はどう対応すべきかを考えた。今後更に発生するであろう小児重症患者への対応を迅速に行うために、小児患者の緊急搬出を決断した。被災時PICU入院患者は6名であり、うち5名を4月16日の15時~日没までに九州の各施設へ空路搬送した。また他県の医師に他院の小児循環器疾患患者への対応も依頼した。4月18日には救急外来でトリアージされた先天性心疾患の急性増悪例を1例(気管挿管後)手術可能施設へ、また当院の慢性心不全患者を小児循環器の専門診療可能な施設へ共に空路搬送した。
災害急性期は想定外の連続であり、平時から院内外の医療従事者と連携を取っていたこと、平時から防災ヘリやドクターヘリの空路を含めた搬送を行っていたことが急性期対応に非常に活きたと感じている。
2016年4月14日と4月16日に熊本は2度の大地震に襲われた。小児医療に関しては熊本の小児医療の中枢を担う2病院の機能が「突然」に失われた。大規模なNICUと小児循環器内科・小児心臓外科を持つ熊本市民病院が機能を喪失するということは、様々な基礎疾患を持つ小児患者が行き場を失い当院を受診する可能性が高く、熊本市周辺の小児救急患者を東西で当院と二分する熊本地域医療センターが機能を喪失するということは熊本市周辺の全小児救急患者が当院を受診する可能性が高いと考えた。
そのような状況でPICUを内包する当院はどう対応すべきかを考えた。今後更に発生するであろう小児重症患者への対応を迅速に行うために、小児患者の緊急搬出を決断した。被災時PICU入院患者は6名であり、うち5名を4月16日の15時~日没までに九州の各施設へ空路搬送した。また他県の医師に他院の小児循環器疾患患者への対応も依頼した。4月18日には救急外来でトリアージされた先天性心疾患の急性増悪例を1例(気管挿管後)手術可能施設へ、また当院の慢性心不全患者を小児循環器の専門診療可能な施設へ共に空路搬送した。
災害急性期は想定外の連続であり、平時から院内外の医療従事者と連携を取っていたこと、平時から防災ヘリやドクターヘリの空路を含めた搬送を行っていたことが急性期対応に非常に活きたと感じている。