[I-PD03-01] 周産期・新生児期の病態に起因する肺高血圧へのアプローチ
-多領域連携の重要性・必要性-
Keywords:肺高血圧, 新生児, 気管支肺異形成
肺高血圧(PH)は、WHO臨床分類では、PHの機序により大きく5群に分けられるが、小児のPHでは、周産期の適応障害、肺の発達成長障害、および肺低形成の重要性が強調されている。小児PHのPanama基準では、PHの基礎疾患として、これらの多彩な病態が挙げられ、カテゴリー1には、1.1母体または胎盤異常、1.2胎児の肺血管発達異常、1.3胎児の心疾患が含まれ、先天性横隔膜ヘルニア(CDH)は、カテゴリー1.2.1(胎児肺低形成関連) に、気管支肺異形成(BPD)は独立したカテゴリー4と分類される。新生児と小児循環器は元来密接に関連する領域であるが、特にPHは、近年重要なテーマとして双方からの関心を集めている。
BPDやCDHなどの肺疾患は, 小児PHの原因として先天性心疾患に次ぐ頻度であり10%以上を占める。 これらの疾患では、新生児遷延性肺高血圧を含めた急性期PHに対しては、主にNICU入院中に呼吸機能やPHの評価に基づき呼吸管理、循環管理がなされる。NICU退院後にも、PHは呼吸感染時などに急性増悪をしばしば来たし、重要な予後因子である。最近、早産児では学童期から成人期にも肺循環障害を認めることが相次いで報告され、周産期病態の成人期への影響も注目される。これらの知見は、NICUでの新生児科医による管理から小児循環器医、PHを専門とする医師とも連携したフォロー体制の必要性を示す。多領域collaborationの重要性は国際的にも認識され、Pediatric Pulmonary Hypertension Network(北米)、European Pediatric Pulmonary Vascular Disease Network (欧州)などの組織は新生児科医、小児循環器医で構成されている。今後成人期への移行も見据え、循環器/呼吸器内科との連携も重要となると考える。
BPDやCDHなどの肺疾患は, 小児PHの原因として先天性心疾患に次ぐ頻度であり10%以上を占める。 これらの疾患では、新生児遷延性肺高血圧を含めた急性期PHに対しては、主にNICU入院中に呼吸機能やPHの評価に基づき呼吸管理、循環管理がなされる。NICU退院後にも、PHは呼吸感染時などに急性増悪をしばしば来たし、重要な予後因子である。最近、早産児では学童期から成人期にも肺循環障害を認めることが相次いで報告され、周産期病態の成人期への影響も注目される。これらの知見は、NICUでの新生児科医による管理から小児循環器医、PHを専門とする医師とも連携したフォロー体制の必要性を示す。多領域collaborationの重要性は国際的にも認識され、Pediatric Pulmonary Hypertension Network(北米)、European Pediatric Pulmonary Vascular Disease Network (欧州)などの組織は新生児科医、小児循環器医で構成されている。今後成人期への移行も見据え、循環器/呼吸器内科との連携も重要となると考える。