[I-PL-01] 心電図の発見から不整脈治療まで
Keywords:心電図, 不整脈, カテーテルアブレーション
心電図は種々の心疾患の診断には不可欠な検査手段である。19世紀半ばには心臓で電気の発生と心拍が同期していることが発見され、1870年代には心筋に電気活動があることが知られ、毛細管式電流計が発明され、これを用いて1887年にイギリスのAugust Wallerが世界で最初に心電図を記録した。心電計は1895年にドイツのWillem Einthovenによって発明されたが、記録された心電図がどのような意味を持つのかわかっていなかった。現在用いられているP、QRS、TはEinthoven により命名された名称である。1903年、田原淳はドイツに留学しHis束についての研究を開始した。1905年に彼は房室結節(田原結節)、刺激伝導系を発見し、ここを刺激が伝導することで心臓が拍動することを突き止めた。心電図は心臓の電気信号の流れを表すものでありこの発見が医学に大きく貢献することになった。この後q波が心筋梗塞、先天性心疾患、左室肥大などで出現することがわかり、それぞれの波形の持つ意義が明らかになってきた。不整脈に関しても1925年までにはAshman現象、変行伝導、癒合収縮、副収縮など現在も使用されている多くの現象が解明されている。その後電気生理学的検査が行われるようになり、自動能、リエントリーなどの概念が確立された。Holter心電図、加算平均心電図、T wave alternansなどにより種々の心疾患の予後の予測、また3Dマッピングの開発により、安全で有効なカテーテルアブレーションの臨床応用が行われるようになった。
今後も心電図は我々循環器に携わる者にとってはなくてはならない診断手段であり、さらなる発展が期待される。
今後も心電図は我々循環器に携わる者にとってはなくてはならない診断手段であり、さらなる発展が期待される。