第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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シンポジウム

シンポジウム1(I-S01)
川崎病:急性期治療から遠隔予後解明にむけた連携

Thu. Jun 27, 2019 2:50 PM - 4:20 PM 第1会場 (特別会議場)

座長:鮎澤 衛(日本大学医学部 小児科学系小児科学分野)
座長:深澤 隆治(日本医科大学 小児科)

[I-S01-05] 川崎病既往ACS全国調査から学ぶ移行期管理

三谷 義英 (三重大学大学院医学系研究科 小児科学)

Keywords:Kawasaki disease, Transition, nationwide survey

川崎病(KD)の報告(川崎博士、1967年)後50年余りが経過(初回診断基準公表1970年、冠動脈造影所見報告1975年、冠動脈エコー所見報告1979年)した。本講演では、最近増加している成人期の急性冠症候群(ACS)の疫学的特徴をまとめ、移行期管理へのレッスンを報告する。登録された67例(中央値35歳、男76%)中、急性期診断32例(A群)(うち診療離脱17例)、成人期の冠動脈画像からの成人期診断例35例(B群)。67例は、冠動脈血栓証明74%、巨大瘤持続38%、血管内エコー上の石灰化92%、心筋梗塞既往なし94%であった。B群と比べてA群は、ACS年齢が若く(p<.001)、誕生歴年が遅く(P<.001)、冠リスクが少なかった(P=.043)。A群では、診療離脱群に比べ経過観察群では、KD暦年が遅く(p=.004)、責任病変に巨大瘤を合併し(P<.001)、ACS前に抗血栓療法中(p<.001)であった。A群の急性期KDの冠動脈径は6mm以上(6.0-7.9mm36%、≧8.0mm64%)、5年以上の遠隔期(中央値16y)の有意狭窄(>75%)は39%、巨大瘤は59%であった。成人期KD-ACSにおいて、責任病変は急性期6mm以上、遠隔期に必ずしも巨大瘤ないし有意狭窄を伴わず、ACS時に血管内エコー上の石灰化を伴った。経過観察例では、巨大瘤に対する抗血栓療法下の初回のACS発症で、B群では、より高齢でより冠リスク因子を伴う初回のACS発症であった。これらの所見は、成人期KD-ACSの発症機序に関わる洞察に与え、成人期KDのスクリーニング、管理、新規診断を知る上で重要と考え、教訓となる症例を提示する。成人期川崎病の疫学データは不足しており、関連した学会での横断的取り組みが重要と考えた。