[I-S02-01] 小児の三尖弁輪近傍起源心室性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療戦略
キーワード:三尖弁輪起源, 心室性不整脈, カテーテルアブレーション
(背景)基礎疾患のない心室性不整脈で、三尖弁輪近傍起源のものは流出路起源のものに比べアブレーション治療効果を得るのに難渋する場合がある。(方法)2013年1月から2019年4月にCARTO3を用い再早期興部位指標でカテーテルアブレーションを行った三尖弁輪近傍起源心室性不整脈の治療成績とそれに影響する因子を検討した。(結果)患者数11、のべセッション数17。セッション時年齢10.5(2.9-21.8)歳、体重32.4(12.6-57.5)kg、治療前PVC burden 30.7(16.2-45.8)%。治療1-3か月後PVC burdenが<5%まで減少したセッションは9/17(53%)だった。各セッションを治療効果あり群(n=9)・なし群(n=8)に分類した。年齢・体重・治療前PVC burden・Redoか否か・通電出力は各群で有意差がなかった。治療法はCARTOSOUND使用9/9 vs. 4/8 (p=0.03)、内頚静脈から通電7/9 vs. 2/8 (p=0.06)、小屈曲半径カテ使用 6/9 vs. 1/8 (p=0.05)、イリゲーションカテ使用 2/9 vs. 3/8 (p=0.62)。2017年以降連続6症例に治療効果を得た。(考察)三尖弁輪近傍起源心室性不整脈の治療では障壁となる三尖弁尖が存在するため、治療効果を得るためには標的部位へのカテの確実な接触が最も重要と考えられる。我々の症例は三尖弁輪外側・後外側が起源で、下方アプローチでは弁下にカテ先を潜り込ませる事が困難な場合があった。上方アプローチでカテをJ型にすると良好な位置に接触させることができた。屈曲半径が必然的に大きくなるイリゲーションカテを用いるより、屈曲半径が小さいノンイリゲーションカテの方が有用と考えられた。CARTOSOUNDはカテ先端の解剖学的位置がリアルタイムに把握でき、有用であると考えられた。