[I-S02-04] Fontan術後心房頻拍に対するアブレーション成功部位の電位的特徴
キーワード:心房頻拍, Fontan術後, 電位学的指標
背景:Fontan術後心房頻拍は心房内不整脈基質が非常に複雑である。そのため、アブレーション治療においては安定しない心房頻拍の完全なactivation map作成が困難である。頻拍中の破砕心房電位の早期性を指標にマッピング、通電を繰り返すことが多い。しかし、有効通電部位の電位的特徴の詳細は不明である。目的:Fontan術後心房頻拍のアブレーション成功部位の電位的特徴を明らかにすること方法:対象は2013-2018年に当院で施行したFontan術後心房頻拍アブレーション連続36例、42セッション、計96個の心房頻拍。全ての通電部位の電位特徴をA群:頻拍停止電位、B群:停止しないが頻拍周期あるいは心房シークエンスの変化を得た電位、C群:無効通電部位の3群に分けて、電位波高、頻拍周期に対する局所伝導遅延時間比を比較検討した。値は平均値±SDで表記した。結果:通電回数は1,170回。内訳はA:75、B:397、C: 698。破砕電位の最高電位波高はA: 0.312±0.026、B: 0.248±0.023、 C:0.169±0.031mV(A vs. B:P=0.04、 B vs. C: P=0.02、 A vs. C: P<0.01)。頻拍周期に対する局所伝導遅延時間比はA: 35.8±3.2、 B: 26.2±3.4、 C:18.0±3,2 %(A vs. B:P=0.03、 B vs. C: P=0.02、 A vs. C: P<0.01)であった。結論:Fontan術後心房頻拍に対するアブレーションにおいては0.25mV以上の波高と、頻拍周期の26%以上の伝導遅延を有する心房破砕電位を指標にすることが効果的である。3Dマッピングシステムのvoltage mapのカラーレンジは0.1mV未満を無電位領域に、0.5mV以上を健常電位に設定することが有用である。