[I-S03-01] 胎児徐脈性不整脈の胎児診断と治療の現状と課題
キーワード:胎児, 徐脈性不整脈, 胎児治療
胎児心拍数が100回/分未満を胎児徐脈と定義され、主に心奇形または母体抗SSA抗体に起因する房室ブロック(AVB)と洞性徐脈を契機に見つかる胎児先天性QT延長症(LQTS)に胎児治療が行われている。臨床経過や胎児治療を含めた周産期管理方法は不整脈の種類やその原因により異なるために、正確に診断し適切な周産期管理を行うことが大切である。本講演では胎児徐脈性不整脈の診断と治療について解説する。
胎児不整脈の診断は、超音波検査でMモード法とドプラ法から心房(A)と心室(V)収縮を確認し、AA間隔、VV間隔、AAV間隔とAV関係を確認すれば可能である。LQTSは、QT時間を測定できないが、持続する洞性徐脈で他に原因がなければLQTSを念頭に周産期管理をすることが重要である。特に機能的2:1AVBや間欠的心室頻拍があればLQTSが強く疑われる。
胎児治療は、AVBでは胎児心拍が55回/分以下では胎児循環不全を来すために、β刺激剤が母体投与される。母体抗SSA抗体関連AVBでは、抗炎症効果のあるフッ化ステロイド剤投与により、発症直後の房室伝導障害の回復、心筋炎や心内膜繊維弾性症に作用して心機能や胎児水腫の改善や生後の拡張型心筋症の発症を減らす効果などが報告されている。胎児LQTSでは、胎児徐脈に心室頻拍が合併する場合にMg剤や抗不整脈薬の母体投与が試みられている。
徐脈性不整脈の胎児治療の課題は、胎児治療の有効性と安全生について十分には証明されていないため、治療開始のタイミング、投与量や投与期間や分娩時期の決定など胎児治療戦略は施設により大きく異なっている。より有効で安全性の高い治療戦略の確立が求められており、各施設の治療成績の比較や最新の知見からその方向性について議論する必要がある。
胎児不整脈の診断は、超音波検査でMモード法とドプラ法から心房(A)と心室(V)収縮を確認し、AA間隔、VV間隔、AAV間隔とAV関係を確認すれば可能である。LQTSは、QT時間を測定できないが、持続する洞性徐脈で他に原因がなければLQTSを念頭に周産期管理をすることが重要である。特に機能的2:1AVBや間欠的心室頻拍があればLQTSが強く疑われる。
胎児治療は、AVBでは胎児心拍が55回/分以下では胎児循環不全を来すために、β刺激剤が母体投与される。母体抗SSA抗体関連AVBでは、抗炎症効果のあるフッ化ステロイド剤投与により、発症直後の房室伝導障害の回復、心筋炎や心内膜繊維弾性症に作用して心機能や胎児水腫の改善や生後の拡張型心筋症の発症を減らす効果などが報告されている。胎児LQTSでは、胎児徐脈に心室頻拍が合併する場合にMg剤や抗不整脈薬の母体投与が試みられている。
徐脈性不整脈の胎児治療の課題は、胎児治療の有効性と安全生について十分には証明されていないため、治療開始のタイミング、投与量や投与期間や分娩時期の決定など胎児治療戦略は施設により大きく異なっている。より有効で安全性の高い治療戦略の確立が求められており、各施設の治療成績の比較や最新の知見からその方向性について議論する必要がある。