第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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海外留学報告会

海外留学報告会(I-SA)

Thu. Jun 27, 2019 10:20 AM - 11:50 AM 第6会場 (小ホール)

座長:古道 一樹(慶應義塾大学医学部 小児科)
座長:山村 健一郎(九州大学 小児科)

[I-SA-02] Neckerへの留学報告

阿部 二郎 (北海道大学大学院医学研究院 小児科学教室)

Keywords:海外留学, YIEP, パリ

私は小児循環器学会とAEPCとの提携交換留学募集で幸いにもご推薦をいただき、今年の4月から2ヶ月の短期留学をパリのネッカー病院でさせていただきました。これまでのキャリアとしては、広範な北海道の小児医療を支える一般小児科医として7年、小児循環器を専門としてさらに6年経ちますが、その内2年は同じキャンパス内で基礎研究に専念させていただきました。研究のテーマとしてはミトコンドリア心筋症治療を目標に、ヒトの循環を支える心筋細胞内のオルガネラであるミトコンドリアに対して、薬物送達を行うという壮大なテーマを抱き、北海道大学薬学研究院薬剤分子設計学研究室(原島秀吉教授)のミトコンドリア薬剤送達研究部門(Drug Delivery System: DDS)で山田勇磨准教授と共に様々な薬理効果のある分子を開発してきました。臨床と研究に慌ただしく過ごしながら、学位取得や小児循環器専門医取得を経て、次のキャリアを考えた際に出た結論が、外に出て自身の研究の幅を広げることでした。必然的に国内留学の次は海外留学に視野が向き、再度研究へスイッチを切り変える前のタイミングで交換留学に応募し、ネッカー病院に選んでいただきました。
ネッカー病院はフランス革命前からある世界最古の小児病院ですが、革新的な医療を隣にあるInstitute Imagine(有名なパスツール研究所も隣にあります)と共同で開発し、基礎研究からの橋渡し成果を国内外の子どもにダイレクトに提供しています。循環器部門は高名な心臓血管外科医が揃っていることはもちろんですが、フランスで1番のハイボリュームセンターを率いるDamien Bonnet教授が長年かけて作り上げたネッカーハートチームの現在を、海外留学に興味のある若手小児循環器医の先生にお伝えできればと思います。