第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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海外留学報告会

海外留学報告会(I-SA)

Thu. Jun 27, 2019 10:20 AM - 11:50 AM 第6会場 (小ホール)

座長:古道 一樹(慶應義塾大学医学部 小児科)
座長:山村 健一郎(九州大学 小児科)

[I-SA-05] 英国留学報告

石田 秀和 (大阪大学大学院医学系研究科 小児科学)

Keywords:留学, 心臓発生, 基礎研究

私は2012年4月から2015年4月まで、英国Queen Mary University of London, William Harvey Research Institute, Translational Medicine & Therapeuticsという研究室に3年間留学してきました。今回、若手の小児循環器医/心臓血管外科医の先生たちのキャリア形成のお役に立てればと思い留学の体験を報告させて頂きます。
私の小児循環器医としてのスタートは大阪母子医療センターでした。その後、大阪大学大学院にて博士課程を修了しました。院生の間は心筋細胞分化系を用いたNoonan症候群における肥大型心筋症の研究や、剖検肺によるFailed Fontan患者の肺血管病理について研究していたのですが、留学先としては阪大心臓外科や小児科の先輩が主宰されるロンドンの研究室に決めたのでした。正直アメリカよりもヨーロッパに行きたかったというのが決定要因でした。ロンドンは気候も良く、最近では食べ物もおいしい、そして歴史のある素晴らしい場所でした。最初の1年は日本心臓財団より奨学金を頂き、2-3年目は海外学振を頂くことができました。Queen Mary Universityは日本では有名ではないですが、その医学部は世界最古の病院St. Bartholomew Hospital(創立1123年)を発祥とし、William Harveyといえば血液循環説(1628年):Circulationの提唱者でもあります。臨床においても循環器に強い医学部でした。私の所属したLabは幹細胞治療など心筋再生医療をメインとしている所でしたが、その中で心臓初期発生に関わる基礎研究をさせて頂きました。家族で一緒に住まうロンドン生活は非常にエキサイティングで、もちろん多くのトラブルにも巻き込まれた訳ですが、3人目の子供がロンドンで生まれたり、沢山の得難い経験、そして友人たちを作ることが出来ました。最終的には家族みんな日本には帰りたくないと言うほど気に入ってしまいました。学会では、これから留学する先生方が心配される実際の生活やお金のことなどもお話ししようと思います。