[II-JCCJS-02] Fontan術前後の心房細動に対するアブレーション
Keywords:カテーテルアブレーション, 心房細動, Fontan
Fontan手術は,心室低形成や房室弁異常のため二腔心修復が困難である機能的単心室血行動態を有するチアノーゼ性先天性心疾患(単心室,肺動脈弁閉鎖,三尖弁閉鎖,左室低形成等)に行われる手術である。中心静脈圧上昇,体心室前負荷障害,後負荷増大と低心拍出量を特色とした慢性心不全病態を示す。術後遠隔期の管理,治療に難渋する合併症としては、様々なものがあげられるが、そのうちの一つが不整脈である。頻脈性不整脈には、心房内リエントリー性頻拍と異所性心房頻拍が多く,時に致死的である。頻脈性不整脈の発症はTCPCがAPCに比べが少ないとされるが,術式に関係なく術後経過年数にしたがって増加すると報告される。近年、成人期先天性心疾患症例の平均年齢が高くになるにつれ、心房細動の発症頻度も増えてきているとの報告もある。一方、正常心成人症例の心房細動に対するカテーテルアブレーション治療の適応は拡大され、その治療成績も向上してきている。今回、Fontan術前後心房細動に対するカテーテルアブレーション自験例の検討を行い、その適応や治療法、さらには問題点を考察する。