第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ミニシンポジウム

ミニシンポジウム1(II-MS01)
次世代育成プロジェクト3

2019年6月28日(金) 10:05 〜 11:20 第1会場 (特別会議場)

座長:安河内 聰(長野県立こども病院 循環器センター)
座長:芳村 直樹(富山大学 第1外科)

[II-MS01-01] いま若手心臓血管外科医が考えていること:アンケート調査結果

芳村 直樹1, 山岸 正明2, 鈴木 孝明3, 市川 肇4, 安河内 聰5, 坂本 喜三郎6 (1.富山大学 第1外科, 2.京都府立医科大学 小児心臓血管外科, 3.埼玉医科大学国際医療センター 小児心臓外科, 4.国立循環器病研究センター 小児心臓外科, 5.長野県立こども病院 循環器小児科, 6.静岡県立こども病院 心臓血管外科)

キーワード:次世代小児心臓外科医育成プロジェクト, 小児心臓外科医の修練状況, アンケート調査

背景:日本小児循環器学会では外科系教育部会を設置し、次世代小児心臓外科医育成プロジェクトを立ち上げることとなった。
方法:今回、プロジェクトの一環としてわが国の小児心臓外科医の労働環境、修練状況等に関する情報を得るために、日本小児循環器学会の外科系会員を対象にアンケート調査を行った。2018年6月26日(火)~8月6日(火)の期間に、日本小児循環器学会正会員の心臓血管外科医師420名に対し匿名式によるWEBアンケートを依頼し、176名から回答が得られた(回答率42%)。
結果:小児心臓外科医の15%が月10回以上の当直を行っており、実に85%が法定労働時間の上限を超えていた。また、今回のアンケート結果から、小児心臓外科医の修練環境は「施設によって大きなバラツキがある」ということが確認された。外科医ひとりあたりの手術症例数にもばらつきが生じてしまい、充分な数の執刀経験が得られているとは言い難く、過酷な労働環境も相まって、多くの外科医が不満と不安を抱えているのが現状であった。
結語:「執刀症例の数や難易度等ある程度プログラム化された修練環境」、「出身大学や所属する医局に左右されない修練施設の運用」、「過酷な労働環境の改善」が必要であり、「オールジャパンで次世代を育てる」というシステムを構築していく必要がある。