[II-OR20-04] 青年期に達した先天性QT延長症候群の臨床経過
Keywords:QT延長症候群, 青年期, VF
【背景】先天性QT延長症候群(LQTS)は学校心臓検診による心電図スクリーニングが行われており、QT延長の検出が小児期になされる事が多い。また、LQTSの初回心事故発生率は10歳から40歳の間に多く、年齢による死亡率もLQT1・LQT3で10歳代、LQT2で30歳代が高い。そのため、LQTS患者を小児期以降もリスクに応じた経過観察を行う必要がある。
【目的】青年期に達したLQTS患者の臨床経過を検討する。
【対象と方法】2008年から2018年の間に当院不整脈科に受診歴のある16歳以上のLQTS患者65名(男25、女40)、平均年齢28歳3か月について臨床経過を後方視的に検討。
【結果】平均観察期間は7年11か月。65名中46名(70.8%)は16歳までにLQTSの診断がされ、34名(52.3%)は学校心臓検診により検出された。50名に遺伝子検査が施行され、遺伝子型はLQT1:20名、LQT2:11名、LQT3:5名で遺伝子診断率は36/50、72.0%。平均QTcB時間480±32msec、平均 QTcF時間473±30msec 。過去の失神歴23名(35.4%)、VF/TdP18名(27.7%)が既往。不整脈イベントは16歳までに11名、16歳以降に15名で有し10歳から30歳の間に多く、最高イベント年齢は72歳。また、2回以上イベントを有するのは10名であった。治療は内服37名(56.9%)、ICD/PM植え込み13名(20.0%)。経過中の死亡は0であった。
【まとめ】青年期に達したLQTS患者の多くは、小児期から継続してフォローされていた。不整脈イベントは10歳代から発症しており、適切な継続治療を行うことにより不整脈死亡が回避しえた。患者の病識維持や循環器医師間の連携、就職や転居に伴う医療情報引き継ぎなどが重要と思われた。
【目的】青年期に達したLQTS患者の臨床経過を検討する。
【対象と方法】2008年から2018年の間に当院不整脈科に受診歴のある16歳以上のLQTS患者65名(男25、女40)、平均年齢28歳3か月について臨床経過を後方視的に検討。
【結果】平均観察期間は7年11か月。65名中46名(70.8%)は16歳までにLQTSの診断がされ、34名(52.3%)は学校心臓検診により検出された。50名に遺伝子検査が施行され、遺伝子型はLQT1:20名、LQT2:11名、LQT3:5名で遺伝子診断率は36/50、72.0%。平均QTcB時間480±32msec、平均 QTcF時間473±30msec 。過去の失神歴23名(35.4%)、VF/TdP18名(27.7%)が既往。不整脈イベントは16歳までに11名、16歳以降に15名で有し10歳から30歳の間に多く、最高イベント年齢は72歳。また、2回以上イベントを有するのは10名であった。治療は内服37名(56.9%)、ICD/PM植え込み13名(20.0%)。経過中の死亡は0であった。
【まとめ】青年期に達したLQTS患者の多くは、小児期から継続してフォローされていた。不整脈イベントは10歳代から発症しており、適切な継続治療を行うことにより不整脈死亡が回避しえた。患者の病識維持や循環器医師間の連携、就職や転居に伴う医療情報引き継ぎなどが重要と思われた。