[II-OR23-01] 重症先天性心疾患の出生後スクリーニングに関するアンケート結果
キーワード:スクリーニング, パルスオキシメータ, 重症先天性心疾患
【背景】 重症先天性心疾患 (Critical Congenital Heart Disease以下CCHD)は、新生児期早期に適切な治療を開始する必要のある重篤な疾患である。胎児診断例は増えているが出生後診断例は依然として多い。欧米では、パルスオキシメータによるCCHDのスクリーニング法が近年提案され、その有効性が報告されている。しかし、国内では標準的なスクリーニング法は提案されておらず、パルスオキシメータによるCCHDのスクリーニングは未だ普及していない。【目的】国内の分娩施設におけるパルスオキシメータによるCCHDスクリーニング実施状況および今後の導入に向けた課題等を調査した。【方法】日本産婦人科医会の協力を得て、全国の分娩施設責任者を対象にアンケート調査を行った。2374施設へ送付し、1463施設から回答を得た。分娩無施設や不十分な回答を除外した1323施設(55.7%)からの回答を対象とした。【結果】<回答施設内訳>産婦人科医院54.9%、産婦人科病院5.7%、総合病院21.3%、周産期センター14.8%、その他3.4%。<過去3年間のCCHD症例出生の経験>有47.8%、無47.0%、未把握5.2%。<CCHDのパルスオキシメータによるスクリーニング導入の必要性について>必要である56.1%、どちらかと言えば必要である34.0%、どちらかと言えば不必要である6.7%、不必要である2.2%。<日齢1に下肢でSpO2値を少なくとも数分間測定し、その最高値を記録するスクリーニング法が推奨された場合の実行可能性について>実施しているので実行可能である23.2%、実行可能であり是非実行したい49.8%、実行可能であるが実行するか分からない21.8%、実行困難であり実行出来ない1.6%、その他3.6%。【考察】CCHDのパルスオキシメータによるスクリーニング導入の必要性および実行可能性について肯定的な回答が多かった。今後、パルスオキシメータによるCCHDのスクリーニングの導入に向けた標準プロトコールの作成が求められる。