[II-OR29-04] PA indexは肺血管床を反映するかインドシアニングリーン検査から算出された肺血管床指標を用いた検討
Keywords:肺血管床, インドシアニングリーン検査, PA Index
【はじめに】インドシアニングリーン(ICG)検査の際に右手からICGを静脈注射し、左手のプローベで検出した色素出現時間(Ta)はほぼ肺循環に比例し、TaとQpの積は肺血液量に比例する。すなわちTa*Qpは肺血管床と相関すると考えられる。一般的に肺動脈発育の指標として用いられているPA indexとTa*Qpの相関を評価し、PA indexが肺血管床の指標として妥当であるかの検討を行った。【方法】当院外来フォロー中のFontan術後患者52名の心臓カテーテル検査時にICG検査を施行し、Ta(sec)、循環血液量(BV(L))、心拍出量(CO(L/min))を計測した。Ta*Qpおよび全身の循環時間(CircT(sec))に相当するBV/CO*60で補正したTa*Qp/CircTとPA indexとの関連性について検討した。【結果】肺動静脈瘻(PAVF)やVVshuntを有する症例群はTa 8.9 ± 1.5 sec vs 17.0 ± 1.5 sec (p < 0.05)と有意な差を認めた。シャントを有する症例のTaは肺血管床を反映しない可能性が高いと考え、除外しPA indexとの比較を行った。Ta 17.2 ± 8.4 sec, CircT 85.8 ± 62.0 secでTa/CircTは0.23 ± 0.08となった。心臓カテーテル検査で得られたPA indexは198 ± 65.8でQpは2.8 ± 0.5 L/min/mm2であった。Ta*Qp: 47.4±23.2、Ta/CircT*Qp: 0.66±0.32となった。PA indexとの相関はTa*Qp (r = 0.39, p < 0.05)、Ta/CircT*Qp (r = 0.43, p < 0.05)と共に弱い正の相関を示した。【考察】おおよそ10 sec未満のTaはPAVFやVVshuntの存在を疑うのに有用である可能性が示された。PA indexはTa*Qpとの相関は強くなく、実際の肺血管床を必ずしも反映していない可能性が考えられる。心臓カテーテル検査とICG検査の併用は多角的な肺血管床の評価が可能となり、実臨床で有用な検査法であると考える。