[II-P40-01] 先天性心疾患術後の漏斗胸に対するNuss法の検討
Keywords:漏斗胸, 開心術後, Nuss法
開心術後の漏斗胸でのNuss法の適応や周術期管理の問題点を考察した.
症例1.11歳女児.肺動脈閉鎖に対する肺動脈弁切開術後,胸骨陥没著明で外科的心房間交通閉鎖は困難とされていた.開胸下でのNuss法による修復と,心房間交通閉鎖を施行.剣状突起下から胸骨下を直視下で剥離し,残りはBone Sawで切開.心房間交通を直接閉鎖後,左右胸骨下を剥離し, Barを肋間から挿入.十分な胸壁挙上が得られた.術後疼痛管理に難渋した.
症例2.15歳男児.総肺静脈還流異常に対する術後,漏斗胸により,心臓,左下肺静脈が圧迫されるため,修復を予定.左右肋間神経ブロックを施行.カニューレを留置し,術後の鎮痛にも使用.胸骨下を剥離後し.肋間にBarを通した.疼痛管理は比較的容易であった.
症例3. 12歳女児.総肺静脈還流異常術後,漏斗胸により心臓圧迫有り.PLE発症.また洞不全症候群有り.ペースメーカー植え込みとNuss法を施行.左右肋間神経ブロック施行.
(考察)開心術後に,漏斗胸が進行し,心臓や重要血管圧迫が血行動態へ影響する場合,漏斗胸の修復を要する.胸腔鏡を用いたNuss法が一般的であるが,胸骨下の癒着があり,胸腔鏡下での剥離は困難かつリスクが高い.そのため,胸骨正中切開し,Barが通過部の直視下での剥離を要する.多くは,胸骨下部,心窩部に付着する肋軟骨の変形が強く,右房右室に食い込んでおり,慎重な開胸操作を要する.不慮の出血に備えて,鼡径部からの補助循環の可否の確認,準備を要する.術前CTで開胸時の出血が予想される場合は,補助循環下での剥離も考慮すべきである.
術後疼痛は,開胸に比べて強く,人工心肺非使用例では,硬膜外麻酔や,肋間神経ブロックの併用が望ましい.
Nuss Bar挿入後は,数年間留置するため,その間の再手術やカテーテル検査には困難が伴う.遺残病変がある場合は,同時に修復をおこなうことを念頭に,適応や時期を考慮する必要がある.
症例1.11歳女児.肺動脈閉鎖に対する肺動脈弁切開術後,胸骨陥没著明で外科的心房間交通閉鎖は困難とされていた.開胸下でのNuss法による修復と,心房間交通閉鎖を施行.剣状突起下から胸骨下を直視下で剥離し,残りはBone Sawで切開.心房間交通を直接閉鎖後,左右胸骨下を剥離し, Barを肋間から挿入.十分な胸壁挙上が得られた.術後疼痛管理に難渋した.
症例2.15歳男児.総肺静脈還流異常に対する術後,漏斗胸により,心臓,左下肺静脈が圧迫されるため,修復を予定.左右肋間神経ブロックを施行.カニューレを留置し,術後の鎮痛にも使用.胸骨下を剥離後し.肋間にBarを通した.疼痛管理は比較的容易であった.
症例3. 12歳女児.総肺静脈還流異常術後,漏斗胸により心臓圧迫有り.PLE発症.また洞不全症候群有り.ペースメーカー植え込みとNuss法を施行.左右肋間神経ブロック施行.
(考察)開心術後に,漏斗胸が進行し,心臓や重要血管圧迫が血行動態へ影響する場合,漏斗胸の修復を要する.胸腔鏡を用いたNuss法が一般的であるが,胸骨下の癒着があり,胸腔鏡下での剥離は困難かつリスクが高い.そのため,胸骨正中切開し,Barが通過部の直視下での剥離を要する.多くは,胸骨下部,心窩部に付着する肋軟骨の変形が強く,右房右室に食い込んでおり,慎重な開胸操作を要する.不慮の出血に備えて,鼡径部からの補助循環の可否の確認,準備を要する.術前CTで開胸時の出血が予想される場合は,補助循環下での剥離も考慮すべきである.
術後疼痛は,開胸に比べて強く,人工心肺非使用例では,硬膜外麻酔や,肋間神経ブロックの併用が望ましい.
Nuss Bar挿入後は,数年間留置するため,その間の再手術やカテーテル検査には困難が伴う.遺残病変がある場合は,同時に修復をおこなうことを念頭に,適応や時期を考慮する必要がある.