[II-P42-02] 体内金属の心臓MRI画像に及ぼす影響について
Keywords:体内金属, CMRI, アーチファクト
【背景】先天性心疾患患者には体内に留置された金属やディバイス(体内金属)が見られる。MRI対応やMRI検査可能なものがあるが、検査に及ぼす影響についての臨床情報は少なく、CMRIで十分な情報が得られるか推測するのは難しい。【目的】体内金属のCMRI画像への影響と、撮像や評価の工夫で目的の情報を得うるか検討。【対象】胸骨ワイヤーを除く単種類の体内金属が留置された10例。胸骨ワイヤーのみの1例も提示。【方法】GE Signa EXCITE HDx 1.5T、4Chトルソコイル、心電図同期で3D FIESTA、Cine 、Double IR T1/T2、PC法を撮像。体内金属はPDAコイル(Flipper PDA:ニッケル合金)、血管塞栓用コイル(Gianturco coil:ステンレス合金、MReye Enbolization Coil:ニッケル合金、TRUFILL DCS Orbit:プラチナ合金)、大動脈機械弁(SJM regent、ATS freestyle)、パルマッツステント、カーペンターエドワーズ生体弁付き導管、胸骨ステンレスワイヤー。個数・留置部位・影響を受けた範囲・情報量・撮像評価の工夫について検討。【結果】PDAコイル:コイルを含む15mmの信号が欠落。血管塞栓用コイル:ステンレス合金コイルでは評価可能な画像を得られず、ニッケル合金コイルでは塞栓血管径の信号が欠落、部位やコイル密度により情報量が変化。プラチナタングステンコイルも塞栓血管径の信号が欠落、密に留置されるので接する部位への影響あり。大動脈機械弁は共に弁輪径周囲10mmが影響を受け大動脈弁逆流定量は不正確。パルマツステントと生体弁付き導管は血管内径と流速は計測不可、工夫により血管外径は計測可能。ステンレス胸骨ワイヤーは胸壁に接する部位の評価が困難、断面設定の工夫で影響を軽減。【結論】ステンレススチール合金留置例では評価可能な画像が得られなかった。ステントや弁付き導管では血管内径と流速を得ることができなかった。その他の体内金属については評価に十分な情報が得られた。