[II-P42-04] 小児の急性心筋炎におけるLake Louise Criteriaの適用
キーワード:心臓MRI, 急性心筋炎, Lake Louise Criteria
【背景】急性心筋炎の診断には心筋生検が推奨されているものの,侵襲度や病変部位の心筋の採取の困難さなどから,実際には臨床経過から診断に至ることが多い。そのなかで, CMRに基づくLake Louise Criteriaの適用による急性心筋炎の診断が成人領域では頻用される。【目的】小児領域においてもCMRに基づくLake Louise Criteriaの適用が可能かどうか検討すること。【対象と方法】2018年1月から2019年1月までの間にCMRを行った急性心筋炎の連続2例を対象にT2強調black blood像,ガドリニウム心筋造影早期・遅延画像を撮像した。【結果】症例1は日齢19の女児,哺乳不良を主訴に循環不全が進行し,当院搬送となった。左室駆出率低下・心筋逸脱酵素上昇から急性心筋炎と診断し,強心剤投与を行った。第16病日にCMRを行い,T2強調black blood像での高信号領域の存在・ガドリニウム心筋造影早期での造影効果を認めた。症例2は14歳女児,胸痛を主訴に急速に循環不全が進行し,当院搬送となった。左室駆出率低下・心筋逸脱酵素上昇から急性心筋炎と診断し,強心剤投与を行った。第12病日にCMRを行い,T2強調black blood像での高信号領域の存在・ガドリニウム心筋造影早期での造影効果を認めた。2症例とも強心剤投与のみで心機能の改善を認め退院となった。【まとめ】小児例においてもLake Louise Criteriaは適用可能であった。従来の臨床経過からの診断に加え,CMRは非侵襲的に本疾患の確定診断に近づくことに寄与するものと思われた。