第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療

ポスターセッション50(II-P50)
カテーテル治療 3

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:脇 研自(倉敷中央病院 小児科)

[II-P50-05] 当院における Amplatzer vascular plug 使用症例のまとめ

大軒 健彦, 田中 高志, 小澤 晃, 矢尾板 久雄, 前原 菜美子 (宮城県立こども病院 循環器科)

キーワード:AVP, カテーテルインターベンション, 塞栓

【はじめに】Amplatzer vascular plug(AVP)は self-expandable type の末梢血管塞栓デバイスで、塞栓力が高く再開通も低い。現在日本では3種類のモデルが使用可能で、標的部位に合わせたデバイスの使い分けが必要である。【目的】当院で施行した、AVP を用いたカテーテルインターベンション症例の検討を行うこと。【対象】11症例、のべ 13回。【結果】治療対象部位は、fenestrated TCPC 術後のfenestration が3例、TCPC 術後の静脈性側副血行路が3例、門脈体循環シャントが1例、巨大冠動脈瘻術後の遺残短絡が1例、先天性肺動静脈奇形が3例、左心低形成症候群・両方向性グレン手術後のRV-PA シャントが1例であった。16個の AVP を使用し、内訳は AVP II を12個、AVP 4 を4個。留置したのは12個で、回収理由は over-sizing 1個、under-sizing 2個、塞栓不良1個であった。13回のうち、11回は対象部位への留置に成功したが、RV-PA シャント症例は対象部位へのアプローチ困難で2回目で成功した。門脈体循環シャント症例はロングシースでシャント血管を損傷し緊急開腹での止血術を要した。AVP を留置できた症例はいずれも完全閉塞を得られた。【考察】AVP は様々な部位に留置でき高い塞栓力が認められた。対象部位へアプローチのしやすい部位には AVP II の高い塞栓力が有効で、AVP 4 はカテーテルのみでのデリバリーが可能で屈曲した部位などへのアプローチに優れていた。血管塞栓の際は、安定した固定を得るために、特に静脈塞栓において十分に大きい径を選択する必要があると思われた。【結語】当院の AVP 留置例の成績は良好であった。対象部位に合わせて各モデルを使い分けることが重要と考えられた。