[II-P51-05] Amplatzer Duct Occluderで治療困難な動脈管開存に対する治療戦略
Keywords:動脈管開存, Amplatzer Duct Occluder, カテーテル治療
【背景・目的】動脈管開存(PDA)に対するカテーテル治療は、Amplatzer Duct Occluder(ADO)に続きADOIIの使用が可能となった。ADOでは治療が困難であったPDAの形態と、ADOIIによる治療の可能性について検討した。【対象・考案】埼玉県立小児医療センターでPDAに対するカテーテル治療(CI)は、コイル塞栓術が1997年1月から、ADOによる塞栓術が2010年1月から開始され、ADOIIによる治療は2019年から開始予定である。1997年1月以降、PDAに対してCIを行なった患児を対象に、診療録・カテーテル記録を後方視的に検討し、治療が困難であった症例について検討した。【結果】1997年以降、PDAに対して外科手術を行ったのは140例、CIを行ったのは256例であった。1997年1月から2009年12月、は外科手術が108例・コイルが128例であった。2010年1月から2017年9月は外科手術が30例・コイルが64例・ADOが64例であった。Type C:ADOを施行した2例中1例で留置を断念(size-upしたがleakが多い)した。コイル・ADOでの治療は困難な場合があり、PDAの径によりADOII / Occlutech PDA occlude/ASD Device などでの治療の可能性が考えられる。Type D:ADOを施行した1例で脱落、1例でmigrationを懸念して外科的に回収した。ADO II/ Amplatzer vasular plug (AVP)などでは治療の可能性が高くなるが、脱落の危険性なども念頭に置いて置くべきである。Type E:1例でsize down(Ampullaが細い症例)、1例でコイルへの変更(留置時の形態)、1例でPAへの突出があった。Type Eはコイル治療にも適した形態であり、特にAmpullaが細い場合はADOよりコイルが適している場合がある。【考案】ADO II・AVPなどの導入で、ADOではCIが困難であったPDAの形態も治療の可能性が広まった。しかしType C,Dなどは外科手術を考慮する必要もあり、慎重な適応判断が必要である。Type Eでは、coil塞栓術が適した形態であることを再認識する必要がある。