第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション52(II-P52)
電気生理学・不整脈 4

Fri. Jun 28, 2019 5:30 PM - 6:30 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:渡辺 まみ江(九州病院 循環器小児科)

[II-P52-03] 新生児期に発症した不整脈の検討

山田 浩之 (日本赤十字社医療センター 新生児科)

Keywords:新生児, 不整脈, 先天性心疾患

【目的】当院の新生児集中治療室(NICU)で経験した新生児期発症の不整脈について、臨床像、病型、治療、予後に関して検討する。【対象】2006-2019年に当科に入院となった新生児のうち、不整脈の診断がついた25例について、先天性心疾患あり(CHD)群となし(N)群に分けて後方視的に検討した。【結果】CHD群13例、N群12例であった。在胎週数中央値38週(29-41週)、男児 16例 (64%)でCHD群とN群に差は見られず、染色体異常は6例 (24%)でCHD群4例、N群1例であった。出生体重中央値はCHD群2180g(615-3624g)、N群3038g(1890-4215g)でCHD群の方が有意に小さかった(p<0.05)。初発時日齢中央値はCHD群日齢9(0-57)、N群日齢0(0-44)、CHD群のうち7例が術後に初発の不整脈を認めた。不整脈の種類は(1)房室ブロック(AVB)CHD群2例、N群なし。(2)発作性上室頻拍(PSVT)CHD群3例、N群5例。(3)心房頻拍(AT)CHD群4例、N群3例。(4)心房粗動(AFL)CHD群1例、N群3例。(5)心室頻拍(VT)CHD群2例、N群なし。(6)その他、CHD群で接合部異所性頻拍(JET)1例、N群で促進性固有心室調律(AIVR)1例。治療・予後:21例生存、4例死亡。死亡例はすべてCHD群であったが、不整脈関連死は房室ブロック1例のみで、3例は基礎疾患が重篤であり救命が困難であった。頻拍性不整脈に関して、頻拍消失までの期間は、CHD群のATの2例が治療に難渋し頻拍消失まで4日を要したが、その他は、CHD群、N群ともに発症24時間以内に頻拍消失した。退院後の再発に関しては、CHD群で2例が再発を繰り返し、薬物治療を継続しているが、N群は当院でフォローしている10例全例再発なく経過している。【考察】CHD群で房室ブロックを認めた児の予後は不良であった(2例死亡)。頻拍性不整脈に関して、治療がCHD群で難渋することを経験したが、N群では病型に関わらず、その予後は良好であった。