第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション53(II-P53)
電気生理学・不整脈 5

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:立野 滋(千葉県循環器病センター 小児科)

[II-P53-03] 当院における小児頻脈性不整脈に対するビソプロロールテープ剤の使用経験

新井 修平, 池田 健太郎, 田中 健佑, 下山 伸哉, 小林 富男 (群馬県立小児医療センター 循環器科)

キーワード:ビソプロロール, テープ剤, 小児頻脈性不整脈

【はじめに】ビソプロロールテープ剤は2013年9月に新規に発売開始された世界初のβ1遮断薬のテープ剤である。血中濃度維持、投与の利便性などの利点があり、小児では特にその効果が期待できるが、小児への投与の報告はない。当院において小児頻脈性不整脈に対してビソプロロールテープ剤を使用した症例について報告する。【目的】小児頻脈性不整脈に対してビソプロロールテープ剤使用の有効性と安全性を検討する。【対象と方法】2015年10月から2018年12月の間に当院で不整脈治療としてビソプロロールテープ剤を導入した11例を対象とし、診療録より後方視的に検討した。【結果】患者背景としては男女比 9例:2例、発症時期 日齢1-1歳7ヶ月(中央値2ヶ月)、体重 1.8-12.5kg(中央値4.9kg)。上室性頻脈9例(82%)、心室性頻脈2例(12%)。CHDあり5例(45%)、CHD術後4例(36%)。β遮断薬静注薬からの移行7例(64%)、他の抗不整脈薬使用8例(73%)だった。初期投与量0.25-1.0mg(中央値0.5mg)、維持量0.25-2.0mg(中央値1mg)で使用し全例で有効だった。投与中止例は2例(12%)でテープかぶれが1例、貼付拒否が1例でいずれも内服薬へ変更した。【考察】ビソプロロールは頻脈性不整脈への効果や他の抗不整脈薬との併用による有効性が報告されている。当院において小児頻脈性不整脈に対するビソプロロールテープ剤は有効性が高く、重大な副作用なく使用することができた。β遮断薬静注薬からの切り替えでの使用、他の抗不整脈薬との併用での使用の有効性が示唆された。【結語】当院において小児頻脈性不整脈に対するビソプロロールテープ剤の使用は有効かつ安全に行うことができた。小児においてβ遮断薬の貼付剤は有用であると思われた。