[II-P54-02] 植え込み型心電計によってQT延長症候群2型における失神の鑑別を行った1例
キーワード:QT延長症候群, 植え込み型心電計, 失神
【背景】QT延長症候群2型の患者ではβブロッカーによる治療は必須であるが、副作用のため徐脈や低血圧の症状が出ることがある。またQT延長症候群では神経調節性失神を合併することが比較的多く、失神を来したときの鑑別に苦慮することがある。近年植え込み型心電計をQT延長症候群延長症候群患者の失神鑑別や治療効果判定に用いられるようになっている。【目的】β遮断薬内服中のQT延長症候群患者における失神の鑑別における植え込み型心電計の効用を検討する【方法】診療録を用いた後方視的研究。【症例】14歳女児。前医で学校検診時にQT延長症候群を指摘され、遺伝子検査にてQT延長症候群2型と診断されている。βブロッカーとしてプロプラノロールを内服し始めたところ嘔気やめまいを訴え、ビソプロロールに変更したが症状改善せず、カルベジロールを少量で継続されていた。その後も失神はあるが、ホルター心電図などでは異常は認めなかった。当院に紹介となり、βブロッカーをナドロールに変更すると共に植え込み型心電計(メドトロニック Reveal LINQ)を植え込んだ。植え込み9か月後の朝、本人が起床後飛び起きて準備をしていたところ失神。植え込み型心電計にて50秒を超えるTdPが記録されていた。本人さんと親御さんにデータを提示し、ICD植え込みを提示したが拒否され、左交感神経節切除術を行うこととなった。【結語】QT延長症候群における失神の原因検索に植え込み型心電計は有用である。