第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈

ポスターセッション54(II-P54)
電気生理学・不整脈 6

Fri. Jun 28, 2019 5:30 PM - 6:30 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:岩本 眞理(済生会横浜市東部病院こどもセンター)

[II-P54-05] 褐色細胞腫(PCC)に対する腹腔鏡下副腎摘除術時にTorsade de pointes(TdP)をきたした1例

小山 真輝, 松尾 倫 (熊本大学医学部附属病院 小児科)

Keywords:褐色細胞腫, TdP, LQT

【背景】褐色細胞腫(PCC)は原疾患として稀ではあるが高血圧、致死性不整脈を含む重篤な心合併症を来たしうるカテコラミン産生性神経内分泌腫瘍である。我々は血圧、脈拍のコントロールのできていた家族性褐色細胞腫の症例において腫瘍摘出時に頻回のTdPを来たし術中管理に難渋した経験をしたため報告する。【症例】6歳、男児。有熱性痙攣にて他院救急搬送された際にBP170/120mmHgと高血圧を指摘された。家族歴より腹部超音波、MRI施行され左副腎腫瘤を指摘。血中尿中NAD、VMA高値もありPCC疑いにて当院へ紹介となり遺伝子検査(VHL,SDHD変異)、副腎シンチ施行され確定診断に至った。術前ドキサゾシン、プロプラノロールにて安静時血圧100/60mmHg,HR90bpm前後とコントロールし腹腔鏡下副腎摘除術施行。術中にsBP200mmHgと急激な血圧上昇とともにTdP出現。モニター上もnotched T,U波が顕在化していた。手術を中断しランジオロール増量、アミオダロン持続投与追加にて再開するもVTは出現しその都度脈の安定を待ちながら摘出術を行った。術後VTは認められず経過した。術前ECGにてQTc440msec、術後 QTc395msecであったがLQT精査として現在遺伝子検査の追加を行っている。【結語】褐色細胞腫において術前QT延長が認められず血圧のコントロールもできている様な症例においても腫瘍摘出時にはTdPの様な致死性不整脈をきたすため慎重な管理を要する。