[II-P59-01] pH4処理酸性ヒト免疫グロブリン5%製剤と10%製剤の川崎病に対する治療効果の比較
キーワード:川崎病, 免疫グロブリン10%製剤, 治療効果
【背景】川崎病に対する免疫グロブリン大量療法(IVIG)は標準治療として確立している.川崎病に適応を有する静注用ヒト免疫グロブリン製剤は4種類あるが,当院ではほぼ全例にpH4処理酸性ヒト免疫グロブリン製剤を使用している。今回,従来の5%製剤から10%製剤に切り替えが行われた.
【目的】pH4処理酸性ヒト免疫グロブリン5%製剤と10%製剤の川崎病に対する治療効果・安全性について比較検討する.
【方法】2015年1月から2018年11月までに当院で川崎病と診断し,第8病日までに2g/kg単回のIVIGを行った患者を対象とした.全例にアスピリンまたはフルルビプロフェン内服を併用した.初回IVIG不応例に対しては追加IVIGを行った.両群の患者背景,治療成績,副作用等に関して,後方視的に比較検討を行った.
【結果】対象は135例(5%製剤105例,10%製剤30例)で,両群間で投与前の患者背景に有意差は無かった.初回IVIG不応例は,5%製剤で31例(29.5%),10%製剤で10例(33.3%)で有意差を認めなかった(P=0.822).追加IVIG不応例は,5%製剤で3例(2.9%),10%製剤で3例(10.0%)と10%製剤で高い傾向を示した(P=0.123)が,冠動脈病変合併率(P=1.000)を含めて両群間で有意差は認めなかった.在院日数は,5%製剤で8.7±2.2日,10%製剤で7.7±2.7日で,10%製剤の方が有意に短かった(P=0.011).重大な副作用については,両製剤とも認めなかった.
【考察】pH4処理酸性ヒト免疫グロブリン10%製剤は,従来の5%製剤と同等の治療効果および安全性があると考えられた.10%製剤で在院日数が短縮されたのは,5%製剤と比較して半分の投与時間で済むため,症状改善・退院を早期に判断出来たためと推察された.
【目的】pH4処理酸性ヒト免疫グロブリン5%製剤と10%製剤の川崎病に対する治療効果・安全性について比較検討する.
【方法】2015年1月から2018年11月までに当院で川崎病と診断し,第8病日までに2g/kg単回のIVIGを行った患者を対象とした.全例にアスピリンまたはフルルビプロフェン内服を併用した.初回IVIG不応例に対しては追加IVIGを行った.両群の患者背景,治療成績,副作用等に関して,後方視的に比較検討を行った.
【結果】対象は135例(5%製剤105例,10%製剤30例)で,両群間で投与前の患者背景に有意差は無かった.初回IVIG不応例は,5%製剤で31例(29.5%),10%製剤で10例(33.3%)で有意差を認めなかった(P=0.822).追加IVIG不応例は,5%製剤で3例(2.9%),10%製剤で3例(10.0%)と10%製剤で高い傾向を示した(P=0.123)が,冠動脈病変合併率(P=1.000)を含めて両群間で有意差は認めなかった.在院日数は,5%製剤で8.7±2.2日,10%製剤で7.7±2.7日で,10%製剤の方が有意に短かった(P=0.011).重大な副作用については,両製剤とも認めなかった.
【考察】pH4処理酸性ヒト免疫グロブリン10%製剤は,従来の5%製剤と同等の治療効果および安全性があると考えられた.10%製剤で在院日数が短縮されたのは,5%製剤と比較して半分の投与時間で済むため,症状改善・退院を早期に判断出来たためと推察された.