[II-P59-04] 初回IVIG後の再発熱に追加IVIGは必要か? -いわゆるリバウンド熱を含む再発熱を来した川崎病症例の検討-
キーワード:川崎病, 再発熱, リバウンド熱
【背景】急性期川崎病症例に対する初回免疫グロブリン大量療法(IVIG)後、一度解熱した後に再発熱することがあり、その中には追加治療を要さずに解熱するいわゆるリバウンド熱の症例が含まれる。【目的】初回IVIG後に再発熱を認めた症例について、初回あるいは追加IVIG前にリバウンド熱症例と再燃(くすぶり)症例とを区別可能かを検討する。【対象と方法】2015年1月から2018年12月の4年間に当科に入院した急性期川崎病206例中、当科で初回IVIGを行った182例のうち再発熱を認めた30例について、(1) 再発熱に対して積極的に追加IVIGを行った前期(2015~16年)とリバウンド熱を意識して経過観察を行った後期(2017~18年)に分け、年齢、診断病日、主要症状数、群馬スコア、入院時血液検査および炎症反応の推移、発熱以外の症状の再燃、冠動脈後遺症の有無等について後方視的に比較検討した。(2)後期において、追加IVIGを行った群と行わなかった群との間で同様に比較検討した。再発熱とはIVIGにて解熱(37.5℃未満が24時間以上経過)した後に再度37.5℃以上が続いたものとした。【結果】再発熱を認めたのは、前期16/84例(19.0%)、後期14/98例(14.3%)で、そのうち追加IVIGが行われたのは前期15/16例(93.8%)、後期4/14例(28.6%)であった。有意差は(2)の発熱以外の症状再燃の有無にのみ認めた。初診時に瘤を形成していた前期の1例を除いて冠動脈後遺症は認めなかった。【考察】後期に追加IVIGを行わずリバウンド熱と判定した症例は発熱以外の症状の再燃を認めなかったことから、前期に追加IVIGを行った15例のうち12例がリバウンド熱として経過観察が可能であったと思われた。初回IVIG後の再発熱には、リバウンド熱と再燃(くすぶり)があり、症状や検査の推移を参考に個々の症例で追加治療の必要性を見極ねばならない。【結論】初回IVIG後の再発熱症例は、発熱以外の症状の再燃がなければ、リバウンド熱として経過観察が可能である。