[II-P64-04] ストレイン解析を用いた小児から若年成人までのファロー四徴症術後患者の左房機能の評価
キーワード:左房機能, ストレイン, rTOF
【背景】ファロー四徴症心内修復術後患者(rTOF)において左室機能は重要な予後指標であることは証明されている。近年左房機能が左室機能と同等以上に有用な予後指標であるとする報告が散見されるが、TOFにおいて心房機能の検討はまだ十分ではない。【目的】rTOFにおける左房機能低下についてストレイン解析を用いて検討すること。【方法】5歳から40歳のrTOF59例を年齢によって3群に分類し(T1:5-10歳、T2:11-20歳、T3:21-40歳)、年齢を近似した54例の正常対照群も同様の方法で3群(N1、N2及びN3群)に分類した。2次元超音波によるストレイン解析を用いて、心尖部4腔断面像、2腔断面像より収縮期、拡張早期、拡張後期の左房のストレイン、ストレインレートを測定した。【結果】N3群とT3群間において、心房収縮期左房ストレイン(14.1±2.7%vs.8.29±1.4%、p<.001)、収縮期左房ストレイン(47.9±1.7%vs.37.4±2.2%、P=0.004)、心房収縮期左房ストレインレート(2.4±0.6%vs.1.5±0.4%、p<.001)、収縮期左房ストレインレート(2.1±0.4%vs.1.5±0.3%、p=0.003)と有意差を認め、拡張早期左房ストレインレートはN3群とT3群間(3.3±0.5%vs.2.3±0.6%、p=0.002)及びN1群とT1群間(4.1±0.8%vs.3.0±0.6%、p<.001)にて有意差を認めた。拡張早期左房ストレインは全年齢群で有意差は認めなかった。【結論】TOF術後患者において、20歳以降では左房のreservoir機能、conduit機能、booster pump機能は全て低下していた。左房機能は左室機能同様、TOF術後患者の心機能低下の早期マーカーへ応用できる可能性がある。