第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

外科治療

ポスターセッション65(II-P65)
外科治療 5

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:帯刀 英樹(九州大学 心臓血管外科)

[II-P65-05] CoA / IAAに対する大動脈再建術後の画像評価と術後再狭窄の原因についての検討

宮城 ちひろ1, 深江 宏冶1, 塩瀬 明2 (1.熊本市民病院 小児心臓外科, 2.九州大学病院 心臓血管外科)

キーワード:大動脈縮窄症, 大動脈弓再建, 外科手術

【目的】大動脈弓離断症 (IAA) および大動脈縮窄症 (CoA) に対する当院での大動脈弓再建術後の画像所見について検討した。【対象】2008年6月-2016年3月の8年間でCoA / IAAに対して当院で施行した大動脈弓再建術36例のうち、術後遠隔期に大動脈造影あるいは造影CTによる画像評価を行った16例を対象とした。疾患の内訳はIAA5例、CoA11例で、二心室修復症例14例 (VSD 10例、AVSD 2例、simple CoA 2例)、単心室修復症例2例であった。肺動脈絞扼術を併施した症例は8例、一期根治術が8例であった。術式は全て直接吻合で、End to side anastomosisが12例、End to end anastomosisが3例、Subclavian flap aortoplastyが1例であった。手術時の日齢は生後17日 (6日 - 6歳)、新生児症例は10例で、経過観察期間は平均4.5年 (7か月-9.8年)。【方法】術後の造影CTと心臓カテーテル検査の側面像を使用し、大動脈弓形態を、大動脈弓の幅(W)≒高さ(H)であったもの (Romanesque: R型)、W>Hのもの (Crenel: C型)、W<Hのもの (Gothic: G型)に分類した。再介入を要する再狭窄の頻度と術後形態との関連、及び術後形態に影響を及ぼす因子について検討した。【結果】術後死亡は遠隔期死亡1例。術後に再建部分への再介入を要したものは3例 (19%)で、再狭窄解除は手術が1例、バルーン拡大が2例であった。術後の気道・食道狭窄は認めなかった。術後大動脈弓形態はR型7例 (44%)、C型3例 (19%)、G型6例 (37%)であった。手術やカテによる再狭窄解除を行った3例はいずれもG型であり、他の形態に比し有意に高率であった (p = 0.04)。術後形態と術前因子 (年齢、術式、術前の大動脈形態)との関連については明らかなものは認めなかった。【結語】当院における大動脈弓再建では、術後大動脈弓形態がG型のものは再介入を要する再狭窄を生じており、今後も注意深い経過観察が必要である。