第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

外科治療

ポスターセッション67(II-P67)
外科治療 7

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:保土田 健太郎(埼玉医科大学国際医科センター 小児心臓外科)

[II-P67-01] 未熟児動脈管開存症に対する外科手術成績の検討

川畑 拓也1, 久持 邦和1, 鎌田 政博2, 中川 直美2, 本田 茜3, 柚木 継二4, 大島 祐1, 佐伯 宗弘4, 石口 由希子2, 森藤 祐次2, 吉田 英生1 (1.広島市立広島市民病院 心臓血管外科, 2.広島市立広島市民病院 循環器小児科, 3.広島市立広島市民病院 新生児科, 4.広島市立広島市民病院 心臓・大血管低侵襲治療部)

キーワード:未熟児, 動脈管開存症, 手術成績

【背景】動脈管開存症(PDA)に対する治療は、Amplatzer Ductal Occluderに代表されるようなdevice治療が一般的である。しかし未熟児では薬物療法が第一選択ではあり、無効例に対しては外科的PDA 結紮術が必要とされる。【目的】当院における未熟児動脈管開存症に対する外科治療成績の検討【対象】2013年1月~2018年12月までの6年間に、当院NICUに入院した未熟児は999人で、PDAに対してインドメタシン投与を行ったのは75例。その中で外科的にPDA 処理を行った21人を対象とした。平均観察期間2.1 ±1.5 年。【結果】男女比 10 : 11, 出生時平均在胎週数25.5 ± 2.1 週, 体重 703± 223 g。双生児は5組6例、遺伝子異常は21 trisomy1例。合併症: 壊死性腸炎のためstoma造設1例、重症大動脈弁狭窄症1例。外科手術までのインドメタシン与回数は1~9回(中央値5回)。手術時日齢は 25.8 ± 20.7 日, 修正週数 29.2 ± 3.1週、体重767 ± 261 g. 手術は全例NICUで実施し、左開胸で行った。平均手術時間は 49 ± 15 分。30日死亡なし。出血再開胸、創部感染などの周術期合併症無し。在院死亡3例で術後 50, 72, 246日後にそれぞれ呼吸不全、腸管壊死、肝不全で失った。死亡3例中、外科的再介入を要したのは2例で、各々腸瘻造設、胆のう瘻造設を行った。生存18例中9例に,同一入院期間中に外科的再介入を必要とした。鼠径ヘルニア修復術7例、stoma閉鎖術1例、重症大動脈弁狭窄症を合併していた1例はBAVを行った。生存18例の平均入院期間は65 ~ 804 日で、12例が200日以内の退院だった。生存18例中6例に再入院を認めた。呼吸器感染症3例、心不全1例、予定外科手術2例。再入院回避率は術後1、2年で各々70.3, 60.3%(Kaplan Meier)。【結論】未熟児PDAに対する外科治療生成績は満足できるものであった。しかし、入院期間中は消化器合併症、退院後は呼吸器合併症への再介入率が高く、注意深い経過観察が必要と考えられた。