[II-P67-05] 当院における2.0kg未満の低体重児に対する心臓手術の成績
キーワード:低体重, 心臓手術, 開心術
【背景】手術時の低体重は一般的に心臓外科手術の危険因子と言われているが、至適な時期を逸した手術の成績は決して良好とは言えない。当院における体重2.0kg未満の低体重児の疾患、手術内容・成績について検討した。【対象と方法】対象は当院で2004年11月から2018年4月に手術を行った36例。診療録から後方視的に検討した。【結果】症例はHLHS4例,SV3例,TAPVR4例,CoA or IAA complex10例,simple CoA1例,PA/IVS1例,Ebstein1例,VSD/TOF8例,AVSD3例。染色体異常は全体で4例(21trisomy 2例,18trisomy 1例,Turner 1例)で死亡は認めなかった。On pump症例は22例,Off pump症例は14例。手術時の平均体重は1.79±0.18(1.31-1.99)kg、平均日齢は22±16(0-84)日だった。ICU滞在日数は平均で9.22±10.34日(4-58)だった。姑息術は21例(58.3%),根治術は15例(42.7%)。在院死亡は4例(11.1%,4/36)。On pumpが1例{(1)診断:TAPVR(infracardiac)/手術:TAPVR repair/死因:Sepsis、呼吸不全},Off pumpが3例{(2)Polysplenia,iAVSD,AS,hypo LV,CoA/PAB/気管内出血(3)Ebstein,severe PSR/PDA ligation/肺出血(4)TA(Ic)/PAB/壊死性腸炎}であった。2-2.5kgの118例と比較してみると、ICU滞在日数は平均5.09±11.80(2-72)で2-2.5kgの方が有意に短かったが,死亡は16例(13.5%)で有意差は認めなかった。【結語】当院における2.0kg未満の低体重児の在院死亡率は11.1%で決して満足の出来るものではなかったが、他の文献の報告と比較し高いものではなかった。 2-2.5kgの症例と比較しても死亡率に有意差はなく、体重児という理由での手術回避は行わず、姑息術・根治術の選択も含め適切なタイミングで手術介入を行うべきだと考えられる。