第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

肺循環・肺高血圧

ポスターセッション68(II-P68)
肺循環・肺高血圧 5

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:高月 晋一(東邦大学医療センター大森病院 小児科学講座)

[II-P68-01] 21trisomyにおいて睡眠時ポリソノグラフィーが肺血管収縮反応を予見できる

石井 良, 石田 秀和, 橋本 和久, 石垣 俊, 成田 淳, 大薗 恵一 (大阪大学大学医学系研究科 小児科学)

キーワード:肺高血圧, 21トリソミー, PSG

【はじめに】21trisomyに見られる肺高血圧症 (PH)は、様々な原因があるが、閉塞性無呼吸による高CO2血症がPHの増悪因子となるか不明瞭である。【目的】高CO2血症が21trisomyの肺血管収縮に影響を与えるか検討する。【方法】2014年から2018年に低換気テストを含めた心臓カテーテル検査(CATH)と同時期に睡眠時ポリソノグラフィー(PSG)を行った。対象はICR1年後の21trisomy患児10例(VSD7例、AVSD2例、TOF1例)。検査時年齢は1.8±0.8歳、BMI14±1.9 (kg/m2)。低換気テストは全身麻酔で行い、換気条件はPSGからあらかじめ得られたデーターを参考として、PaCO2を45-50mmHgと設定し、SpO2が90%以上維持し実施した。PSGで得られた無呼吸低呼吸指数 (AHI)、低下酸素飽和度指数 (ODI)、刺激覚醒度、中途覚醒時間 (WASO)、REM・nonREM時間とCATHで得られた肺血圧上昇度 (PAPR) (%)=(低換気後mPAP-前mPAP)/前mPAPとPVRIで比較検討した。 【結果】mPAPは低換気前19.5±3.6、低換気後32.0±6.1 mmHg (p<0.01)、PVRIは前2.6±0.8、後4.1±1.4 wood・m2 (mmHg) (p<0.01)。PAPRは55±32 (29-130) %。AHIは4.8±10、ODIは3.6±10、刺激覚醒度1.8±3.4でありPAPRとの相関係数はおのおのr=0.8、0.8、0.7であった。また、PVRIはAHIおよびODIでr=0.6と相関した。WASO、REM、nonREM時間との相関は認めなかった。【考察】21trisomyは、高CO2血症状態により、肺血管収縮を悪くしPH状態になりやすく、PSGが睡眠時のPHのリスクを予見できる可能性がある。