第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

心臓血管機能

ポスターセッション72(II-P72)
心臓血管機能 3

2019年6月28日(金) 17:30 〜 18:30 ポスター会場 (大ホールB)

座長:豊野 学朋(秋田大学大学院医学系研究科機能展開医学系 小児科学講座)

[II-P72-01] 心房中隔欠損における右左短絡発生の血行動態

高田 秀実1, 檜垣 高史1, 太田 雅明1, 千阪 俊行1, 森谷 友造1, 渡部 竜助1, 宮田 豊寿1,2, 打田 俊司2, 太田 教隆2, 鎌田 真弓2, 石井 榮一2 (1.愛媛大学医学部 小児科, 2.愛媛大学医学部 心臓血管呼吸器外科)

キーワード:心房中隔欠損, 右左シャント, 奇異性脳梗塞

【背景】心房中隔欠損(ASD)では欠損孔が大きい場合、右心負荷から心不全、不整脈、肺高血圧などを起こすため、治療が必要とされている。また、右左シャント(RLS)により奇異性脳梗塞を起こす危険性が示唆されているが、どの程度のリスクとなりうるのかは不明である。【目的】心房中隔欠損におけるRLS のリスクを経食道エコー下(TEE)、コントラストエコーにより検討する。【対象】2017年1月から2018年12月に当科にて経皮的心房中隔欠損閉鎖術を施行した38例のうち、TEEにてコントラストエコーを行った29例を解析した。年齢6-80(16)歳、男性10、女性19、ASD最大径6.1-22.7(12.7)mm、balloon sizing径7.9-24.7(13.5)使用デバイス径9-30(13.5)mmであった(()は中央値)。【方法】全身麻酔下、鼠径部シースよりコントラスト静注を行い、TEEでRLSを観察した。通常の人工呼吸管理(陽圧換気、PEEP 0)にてRLSを認めない場合、valsalva法(V法)にて同様の観察を行った。【結果】人工吸気下でのRLSは19/29(66%)、V法を含めると28/29(97%)にRLSを認めた。通常の人工呼吸管理下でのRLSは拡張早期に見られた。V法においては陽圧下ではなく、陽圧を中止した瞬間にRLSを認めた。RLSの有無とASD径には差を認めなかった。【考察】RLSはASDの径には関連はなく、V法を含めるとほぼ全例で認められた。ASDはその大きさによらず、脳梗塞のリスクとなる可能性が高い。