[II-PAL-05] Yasui術後成績の検討
キーワード:Yasui手術, 遠隔成績, 再手術
【目的】適切な心室容積と心室間交通を有するarch anomaly、体心室流出路狭窄合併症例に対するYasui手術は有用な2心室修復である。今回、当施設でのYasui手術の成績について後方視的に検討した。【方法】2004年から2017年までに、当院で行なったYasui手術10例を対象とした。IAA(B) 8例、CoA 2例。AS/SAS 10例(aortic atresia+VSD症例なし)、DORV 2例。VSDはperimembranous 7例、infundibular 3例。primary repair(PR) 7例、staged repair(SR) 3例。SRの2例は初回手術時体重が2kg以下であったためbilateral PA bandingを先行し、1例はNorwood手術を行なった。Yasui手術時平均日齢、体重はPR群で10日、2.7kg、SR群で180日、4.9kg。arch repairは全例でNorwood型手術を行なった。VSD拡大は7例に行なった。術後AV blockを認めた症例はなし。肺血流路はvalved conduit7例で、3例はLecompte maneuverを行いtransannular patchとした。【結果】術後急性期死亡なし。術後、遠隔期死亡を1例(Yasui後1.5年)認めた。再手術は6例、8手術、13術式。術式の内訳はconduit交換を含む右室流出路狭窄に対する手術4、native aortic valve成長およびVSD狭小化に対するtakedown to ICR 2、肺動脈形成2、上行大動脈拡大術1、neo-AVR 1、VSD遺残短絡閉鎖1、VSD拡大1、SAS resection 1。術後遠隔期エコーでのLVOTでの平均peak velocity 0.9m/s、LVEF 55%。neo-AVR1例を除くと、neo-ARはtrivial 2例を認めるのみであった。【結論】Yasui手術の成績は急性期死亡もなく、遠隔期の体心室流出路や心機能も良好に保たれていた。一方で、再手術を要する症例を多く認めた。native aortic valveの成長を認める症例もあり、その場合はconventional ICRへのtakedownも選択肢の一つとなる。またSASを含む体心室流出路狭窄の再発やneo-AR発生に対する経過観察を要する。