第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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シンポジウム

シンポジウム7(II-S07)
Extra-cardiac TCPC 20年の総括と次の10年への提言:基本術式となったExtra-cardiac TCPCを改良するための検証

Fri. Jun 28, 2019 8:30 AM - 10:00 AM 第1会場 (特別会議場)

座長:坂本 喜三郎(静岡県立こども病院)
座長:山岸 正明(京都府立医科大学 小児心臓血管外科)

[II-S07-02] 遠隔成績から見たExtra-cardiac TCPCの検証

小田 晋一郎1, 中野 俊秀1, 児玉 祥彦2, 合田 真海1, 岡本 卓也1, 角 秀秋1 (1.福岡市立こども病院 心臓血管外科, 2.福岡市立こども病院 循環器科)

Keywords:ECTCPC, 遠隔成績, 運動耐容能

<目的>Extra-cardiac TCPC術後遠隔成績を検討した. <対象>1994年から2018年までのEC-TCPC 645例(手術時年齢中央値: 3.3歳, 経過観察期間中央値: 8.7年)を対象とした. Heterotaxyは24.2%であった. 線形混合効果モデルを用いてFontan循環と運動耐容能の経時的変化を検討した. <結果>早期死亡2例(心不全1, ARDS 1),遠隔死亡20例(心不全5, 感染5, 消化管穿孔2, 肝障害2, 脳梗塞1, 肺静脈閉塞1, 喀血1, 静脈瘤破裂1, PH 1, 不明1)であった. 生存率は10年96.7%, 20年92.0%であった. 術後続発症は不整脈(頻脈6.7%, 徐脈3.1%), 心不全3.1%, 蛋白漏出性胃腸症2.5%, 脳梗塞1.7%, 脳出血1.2%, 鋳型気管支炎0.5%, 肝検査異常10.4%であった. 以下、線形混合効果モデル式(P(t) = A + B × t; A, B: 固定効果, t: 術後経過年数)と傾きBの95%信頼区間とp値を示す. Fontan循環: SVC圧= 10.4 - 0.05t (-0.08~-0.02, p=.001), IVC圧= 10.3 - 0.03t (-0.06~0.002, p=.07), v-EDP = 4.2 + 0.2t (0.19~0.27, p=<.0001), CI = 3.54 - 0.07t (-0.08~-0.06, p=<.0001), SaO2 = 94.4 + 0.02t (-0.003~0.045, p=.08). 運動耐容能: Percent predicted peak VO2 = 97.0-1.1t (-1.4~-0.7, p<.0001), Percent predicted peak HR = 94.0-0.16t (-0.33~0.01, p=.07). <結語>EC-TCPC術後成績は良好であった. 問題点は, 不整脈や肝機能異常が少なくないこと, v-EDPの経時的上昇, CIや運動耐容能の経時的低下が認められたことであった.