[II-S07-02] 遠隔成績から見たExtra-cardiac TCPCの検証
キーワード:ECTCPC, 遠隔成績, 運動耐容能
<目的>Extra-cardiac TCPC術後遠隔成績を検討した. <対象>1994年から2018年までのEC-TCPC 645例(手術時年齢中央値: 3.3歳, 経過観察期間中央値: 8.7年)を対象とした. Heterotaxyは24.2%であった. 線形混合効果モデルを用いてFontan循環と運動耐容能の経時的変化を検討した. <結果>早期死亡2例(心不全1, ARDS 1),遠隔死亡20例(心不全5, 感染5, 消化管穿孔2, 肝障害2, 脳梗塞1, 肺静脈閉塞1, 喀血1, 静脈瘤破裂1, PH 1, 不明1)であった. 生存率は10年96.7%, 20年92.0%であった. 術後続発症は不整脈(頻脈6.7%, 徐脈3.1%), 心不全3.1%, 蛋白漏出性胃腸症2.5%, 脳梗塞1.7%, 脳出血1.2%, 鋳型気管支炎0.5%, 肝検査異常10.4%であった. 以下、線形混合効果モデル式(P(t) = A + B × t; A, B: 固定効果, t: 術後経過年数)と傾きBの95%信頼区間とp値を示す. Fontan循環: SVC圧= 10.4 - 0.05t (-0.08~-0.02, p=.001), IVC圧= 10.3 - 0.03t (-0.06~0.002, p=.07), v-EDP = 4.2 + 0.2t (0.19~0.27, p=<.0001), CI = 3.54 - 0.07t (-0.08~-0.06, p=<.0001), SaO2 = 94.4 + 0.02t (-0.003~0.045, p=.08). 運動耐容能: Percent predicted peak VO2 = 97.0-1.1t (-1.4~-0.7, p<.0001), Percent predicted peak HR = 94.0-0.16t (-0.33~0.01, p=.07). <結語>EC-TCPC術後成績は良好であった. 問題点は, 不整脈や肝機能異常が少なくないこと, v-EDPの経時的上昇, CIや運動耐容能の経時的低下が認められたことであった.