[II-S08-02] 心室中隔構造の特殊性
キーワード:Interventricular septum, Spiral Structure, Strucural stability
正常成人の心室中隔を右室内腔より観察すると、右室側に張り出す凸型構造を呈している。さらに右室側心室中隔面は「らせん」を描いているため、単なる凸型構造ではなく「凸型らせん構造」と考えられる。右心系構造の流れ、つまり、(右房に始まり)右室から肺動脈幹への構造の軸は、「らせん」を描いている。これと相対する構造として左室を捉えると、左室は右室との間で「絡み合いらせん構造」を呈していることになる。
左室構造はよく「ラグビーボール様構造」、「弾丸様構造」などに例えられる。いずれも左室構造の軸を直線と考えたモデルであり明らかに誤った考え方である。左心系は決してそのような単純な構造とはなっておらず、(左房に始まり)左室から上行大動脈にかけて巧妙な「らせん」を描いている。
心臓・大血管の内腔構造には、必ず軸が存在し、最小のエネルギー状態を求めるべく動的な安定性を保ちながら流体を効率よく前に進めようとするしかけを見てとることができる。
心室中隔にみる「らせんを描く構造」は合目的な基本形態として認識でき、ここに付属する内部構造(乳頭筋・弁下組織・刺激伝導系など)もこの基本的な構造の中で形成されていることが分かる。本シンポジウムでは、心室中隔に関連する治療についてその構造の特殊性を考慮しながら再確認したい。
左室構造はよく「ラグビーボール様構造」、「弾丸様構造」などに例えられる。いずれも左室構造の軸を直線と考えたモデルであり明らかに誤った考え方である。左心系は決してそのような単純な構造とはなっておらず、(左房に始まり)左室から上行大動脈にかけて巧妙な「らせん」を描いている。
心臓・大血管の内腔構造には、必ず軸が存在し、最小のエネルギー状態を求めるべく動的な安定性を保ちながら流体を効率よく前に進めようとするしかけを見てとることができる。
心室中隔にみる「らせんを描く構造」は合目的な基本形態として認識でき、ここに付属する内部構造(乳頭筋・弁下組織・刺激伝導系など)もこの基本的な構造の中で形成されていることが分かる。本シンポジウムでは、心室中隔に関連する治療についてその構造の特殊性を考慮しながら再確認したい。