[II-S08-04] 心室中隔の収縮様式
キーワード:心室中隔, Torrent Guasp, 右心不全
【はじめに】心室中隔は左室機能を語る際にも右室機能解析においても大きな影響を有しており、無視し得ない構成要素であることは論を俟たない。しかし、実臨床においては左室・右室自由壁を対象とする心機能解析(TAPSEやMAPSE、組織ドプラ法 、ストレイン解析、GLSなど)が汎用され、心室中隔の機能は軽視されている。LV-RV interactionは心室中隔を介さずに作用するものと心室中隔自体が直接影響を相互に伝達するものがあるが、充分な検討は未だ確認されない。また、左心不全・右心不全の各々の病態における心室中隔のRescue作用の解明も充分ではない。心室中隔の挙動は、左右心室機能、心臓全体のKey moderatorであると捉えたい。
【心臓の構造と心室中隔】左室心筋は三層構造(内斜走筋・中輪筋・外斜走筋)を呈しており、左室はRotation/Torsionを介して効率的に収縮すると報告されている。それでは、右室と接している心室中隔も三層構造であるのだろうか?Helical ventricular myocardial bandが心臓全体の構造を形成するとしている所謂Torrent-Guasp theoryにおいては、心室中隔はAscending segmentとDescending segmentの2層に分けられるとされている。我々も心エコーやストレイン解析を用いた評価によって心室中隔は、構造的/機能的に2層として認められることを報告している。このTorrent-Guasp theory は現在では、Buckberg GDらのグループの強い支持を受け、多くのModalityを用いて証明が試みられているが、Anderson RHらの一派には認められず、学会・誌上で論争され、現在に至っている。
【心室中隔の収縮様式】争点となるweak pointを有しているもののTorrent-Guaspが唱えた理論は生理機能に則しており納得できる部分も多い。Ascending segmentとDescending segmentの2層の中隔が左室機能低下・右室機能低下などの局面でどのように挙動しているかについて解説する。
【心臓の構造と心室中隔】左室心筋は三層構造(内斜走筋・中輪筋・外斜走筋)を呈しており、左室はRotation/Torsionを介して効率的に収縮すると報告されている。それでは、右室と接している心室中隔も三層構造であるのだろうか?Helical ventricular myocardial bandが心臓全体の構造を形成するとしている所謂Torrent-Guasp theoryにおいては、心室中隔はAscending segmentとDescending segmentの2層に分けられるとされている。我々も心エコーやストレイン解析を用いた評価によって心室中隔は、構造的/機能的に2層として認められることを報告している。このTorrent-Guasp theory は現在では、Buckberg GDらのグループの強い支持を受け、多くのModalityを用いて証明が試みられているが、Anderson RHらの一派には認められず、学会・誌上で論争され、現在に至っている。
【心室中隔の収縮様式】争点となるweak pointを有しているもののTorrent-Guaspが唱えた理論は生理機能に則しており納得できる部分も多い。Ascending segmentとDescending segmentの2層の中隔が左室機能低下・右室機能低下などの局面でどのように挙動しているかについて解説する。