[II-S09-02] ファロー四徴症遠隔期における再手術の実際と問題点
Keywords:成人先天性心疾患再手術, ファロー四徴症, 肺動脈弁置換術
ファロー四徴症遠隔期における手術介入は、多岐に及んでおり1.右室流出路再手術(肺動脈弁、肺動脈、三尖弁)、2.左心系再手術(大動脈弁閉鎖不全、上行大動脈拡大)、3.重症心不全(補助心臓、心臓移植)があげられる。当院での手術成績及び症例を提示する。
1.右室流出路再建 肺動脈弁閉鎖不全症に対する肺動脈弁置換術は、生体弁を用いて行うことが多く、初回単独肺動脈弁置換術における手術成績は良好である。しかしながら、複数回の肺動脈弁置換術を必要とすることもあり、手術回数や心機能等を考慮し機械弁を選択することもある。また最近では、低侵襲手術を目的として左開胸を用いた再肺動脈弁置換術も施行している。
肺動脈形成術では、左肺動脈形成術は比較的容易に行えるが、右肺動脈形成術は、拡大した大動脈の裏のスペースが小さいため工夫が必要である。
三尖弁形成術は、肺動脈弁置換術時に必要ないとの報告もあるが、逆流の原因として弁輪拡大のみでなく、VSDパッチ縫着時に、三尖弁を利用することも多いため、我々は中等度以上の三尖弁閉鎖不全症を合併する場合には、三尖弁形成術を施行している。
2.左心系再手術は、比較的稀であるが、当院では、約10%程度に上行大動脈置換、基部置換、大動脈弁置換術、僧帽弁形成術が必要な症例も見られる。
3.重症心不全症例は、今後増加してくると考えられる。心臓移植登録には、遺残心室中隔欠損などを遺残病変を治療する必要がある。術後遠隔期のVSDパッチは石灰化が高度なことが多く、遺残閉鎖は容易ではない。
結語
ファロー四徴症遠隔期における再手術は、初回肺動脈弁置換術のみでなく、複雑な病態を示すことも多く、個々に応じた術式の選択が重要である。
1.右室流出路再建 肺動脈弁閉鎖不全症に対する肺動脈弁置換術は、生体弁を用いて行うことが多く、初回単独肺動脈弁置換術における手術成績は良好である。しかしながら、複数回の肺動脈弁置換術を必要とすることもあり、手術回数や心機能等を考慮し機械弁を選択することもある。また最近では、低侵襲手術を目的として左開胸を用いた再肺動脈弁置換術も施行している。
肺動脈形成術では、左肺動脈形成術は比較的容易に行えるが、右肺動脈形成術は、拡大した大動脈の裏のスペースが小さいため工夫が必要である。
三尖弁形成術は、肺動脈弁置換術時に必要ないとの報告もあるが、逆流の原因として弁輪拡大のみでなく、VSDパッチ縫着時に、三尖弁を利用することも多いため、我々は中等度以上の三尖弁閉鎖不全症を合併する場合には、三尖弁形成術を施行している。
2.左心系再手術は、比較的稀であるが、当院では、約10%程度に上行大動脈置換、基部置換、大動脈弁置換術、僧帽弁形成術が必要な症例も見られる。
3.重症心不全症例は、今後増加してくると考えられる。心臓移植登録には、遺残心室中隔欠損などを遺残病変を治療する必要がある。術後遠隔期のVSDパッチは石灰化が高度なことが多く、遺残閉鎖は容易ではない。
結語
ファロー四徴症遠隔期における再手術は、初回肺動脈弁置換術のみでなく、複雑な病態を示すことも多く、個々に応じた術式の選択が重要である。