第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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小児心電図研究会・日本小児循環器学会学校検診部会 合同セッション

小児心電図研究会・日本小児循環器学会学校検診部会 合同セッション(II-SKK)
解説セッション:心電図判断基準の改訂ポイント

Fri. Jun 28, 2019 3:30 PM - 4:30 PM 第7会場 (204)

座長:鮎澤 衛(日本大学医学部 小児科学系小児科学分野)
座長:堀米 仁志(筑波大学医学医療系 小児科)
コメンテーター:長嶋 正實(愛知県済生会リハビリテーション病院)

[II-SKK-01] 心電図研究の経緯と方法

泉田 直己1,2, 岩本 真理2, 堀米 仁志2, 住友 直方2, 牛ノ濱 大也2, 吉永 正夫2, 田内 宣生2, 阿部 勝己2, 長嶋 正實2 (1.曙町クリニック, 2.小児心電図研究会)

Keywords:小児心電図基準値, 学校心臓検診, 心電図自動計測

【研究方法の経緯】わが国では、心電図を用いた学校心臓検診が行われており、2006年に学校心臓検診での心電図抽出基準が示されている。最近のデジタル化された心電計での新しい基準や技術、時代経過による小児の特徴の変化などを考慮して心電図に関する最近の基準値を作成し、それに基づいた新たな心電図抽出基準の作成が望まれていた。今回、心電図に関する最近の基準値を作成するにあたり、次の点に配慮した。
1) 希少な心疾患の判定の資料となるように、多数の正常例のデータを収集した。
2) デジタル心電計の普及を考慮し、計測には精度の高いデジタル計測で行った。
3) 学校心臓検診に利用するために、小学、中学、高校1年生の年齢の基準値作成に重点を置いた。
4) デジタル計測上の特徴を勘案したうえで複数の専門医による目視での確認を行い、基準値作成に適する心電図のみを選別した。
【研究方法の経過および結果】 当初の対象は鹿児島市の学校心臓検診を受診した、小学校1年生19,367名、中学1年生20,559名、高校1年生16,299名、合計56,753名である。基準値を作成するに当たり、1. 基礎心疾患がある(1475名)、2. 心電図記録の不良(1198名)、3. 洞調律ではない(4168名)、4. 不整脈がある(1475名)、5. V1誘導Q波と誤判定(835名)、6. その他の所見(45名)がそれぞれ除外され、最終的に、対象となったのは、小1 16,773名(男8350名、女8423名)、中1 18,126名(男8943名、女9183名)、高1 13,502名(男6477名、女7025名)、計48,401名である。心電図は、標準12誘導の記録を行い、計測は、心拍数、PQ間隔、QRS間隔、QRS電気軸、P, Q, R, S波については間隔および振幅、STJ点およびT波については振幅を計測し、平均値、パーセンタイル値、分布などについて解析した。さらに、2006年の学校心臓抽出基準と比較し、抽出率やパーセンタイル値を考慮したうえ、適切な基準値の策定を試みた。【研究協力者】加藤太一、加藤愛章、鉾崎竜範、米山達哉