第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ミニシンポジウム(多領域専門職部門)

ミニシンポジウム(多領域専門職部門)(II-TRMS)
先天性心疾患患者のリプロダクティブヘルス/ライツを考える

Fri. Jun 28, 2019 5:00 PM - 6:00 PM 第3会場 (大ホールC)

座長:堀内 縁(国立循環器病研究センター 周産期・婦人科)
座長:水野 芳子(東京情報大学 看護学部)

[II-TRMS-04] 先天性心疾患患者の妊娠と出産に関わる看護支援

本末 舞 (東京女子医科大学病院 看護部)

Keywords:先天性心疾患, 妊娠, リプロダクティブヘルス

成人先天性心疾患(Adult Congenital Heart Disease:ACHD)患者は増加し、生殖年齢にある20~40代のACHD女性は10万人前後であると推測されます。これまで、循環動態の異常のために、出産が難しいとされていた修復術後疾患でも、再手術や不整脈治療などにより妊娠・出産が可能になる例が多くなってきています。しかし、ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association:NYHA)の心臓機能分類で妊娠が比較的安全と考えられているⅡ度以下でも、産褥期の心機能の代償不全や心不全による妊産婦死亡例があり、心・大血管疾患を原因とする間接産科的死亡は2番目に多い状況にあります。
100%確実な避妊法が存在しない中で妊娠・出産・育児期に常にリスクがあるACHD女性の場合、計画的な妊娠が重要であり妊娠可能な年齢以前からの患者教育・避妊指導を行うことが重要です。しかし、先天性心疾患(Congenital Heart Disease:CHD)女性のうち、欧米では4割以上、我が国では6割以上が避妊に関する指導を受けていません。
CHD合併妊婦の管理は、周産期医療の中で最も困難なものの一つであり、中等度リスク以上のCHD女性の妊娠・出産を安全に進めるには、産科医、循環器科医、小児循環器科医、麻酔科医、新生児科医、看護師などの専門チームの緊密な協力と妊娠前カウンセリングが推奨されています。また、ACHD女性のリプロダクティブヘルスの向上には、患者を包括的にサポートしていく体制の構築が必要とされていますが、CHD女性の避妊・妊娠に関する思いに焦点を当てた先行文献はほとんどありません。
そこで、出産を経験したACHD女性の思春期からの家族計画の経験と求められる支援についてお伝えし、今、看護職に必要とされる看護支援についてディスカッションしたいと思います。