第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演(多領域専門職部門)

多職種連携

一般口演(多領域専門職部門)1(II-TRO01)
多職種連携

Fri. Jun 28, 2019 3:00 PM - 3:50 PM 第4会場 (中ホールA)

座長:水野 芳子(東京情報大学 看護学部)
座長:日沼 千尋(東京女子医科大学 看護学部)

[II-TRO01-01] 危機的状況におかれた母子への関わり~退院後の生活を見据えた多職種での介入~

沖中 美紀子1, 村上 富美恵1, 権守 礼美1, 丸山 里奈2, 河合 佳奈3, ストッカー 杏奈3, 秋山 紗貴4, 朴 仁三2 (1.榊原記念病院 看護部, 2.榊原記念病院 小児循環器科, 3.榊原記念病院 心臓リハビリ室, 4.榊原記念病院 医療連携室)

Keywords:長期療養, 多職種, 母子関係

【はじめに】私達は、児の病状悪化に伴う母の不安が長期療養中の児の心身や母子関係へ影響した症例を経験した。退院後を見据えた多職種での介入について報告する。【事例紹介】学童期女児、TCPC施行後PLEを繰り返し内科的治療で寛解が得られず開窓術となった。術後は生命の危機からは脱したが、劇的な改善は得られず長期加療を要した。術後のADL低下も重なり、病状や予後に不安を抱える母は苛立ち、児へ心無い言葉をかけてはその後に自身の発言を後悔することを繰り返していた。退院の目処が立つにつれ、児に感情の揺れ動きや退行現象が認められるようになった。【介入の実際】私たちは危機的状況におかれた母子へ多職種で関わり、長期療養生活を支えた。 (1)病棟看護師:医師と共に児の身体・精神状況の情報収集とアセスメントを行ない、多職種での共有を行なった。また母子それぞれへの介入方法を検討し、思いの表出ができる環境を調整、提供した。(2)子ども療養支援士:遊びを通した発達支援と自己肯定感を向上させる関わりを看護師と協働し行なった。(3) PT:術後のリハビリを通してADL拡大と自己肯定感の向上を目指した。(4) 臨床心理士:児の心理面をアセスメントし看護師の児への関わり方の助言や、母に対して児との接し方の支援を行なった。(5)小児看護専門看護師:各専門職間の調整を図り、また両親への直接介入を中心にMSWとともに退院後の復学調整と併診先病院への継続支援を調整した。(6)MSW:社会資源の集約と学校・地域・院内での退院調整を行なった。【結論】多職種が各役割を発揮し、退院後の生活も見据えながら協働して介入した。その結果、相互の不安やストレスにより母子関係が悪化することがないよう、長期療養生活を支え、退院を迎えることが出来た。