[II-TRO02-01] Ebstein奇形術後患者に対し運動指導をおこなった1症例を経験して
キーワード:Ebstein奇形術後, 心肺運動負荷試験, 運動指導
【背景】先天性心疾患患者の運動耐容能低下は以前より指摘され、病態別におおまかな運動制限は行っているが、具体的な運動指導に関する報告は少ない。
【目的】運動中に過換気症状を認めていたEbstein奇形術後患者に心肺運動負荷試験(以下CPX)を施行し、その結果に基づき運動指導を実施したので、知見を加えて報告する。
【症例紹介】女児、在胎38週2792gで出生し生後6日にPDA閉鎖。4歳2ヶ月時に三尖弁形成術・右房縫縮術・右房化右室起源のVTに対するアブレーションを施行。 10歳時に転居にて当院に紹介された。中学生になり学校外のソフトボールチームに所属。練習中に過呼吸様の症状が出現し、休憩が増加していた。前医では運動可否の判断がつかず、当院で運動指導を含めてCPXを実施することとなった。
【CPXの結果と運動指導】CPXの結果は、ATVO2:20.2ml/min./kg、Peak VO2:33.2ml/min./kg 、VE vs VCO2 Slope:35.7、AT-1min WR:39W。9パネルで運動中の換気量の増加が少なく呼吸数による代償を確認。後日、リハビリ室にて39Wから自転車エルゴメータを開始し、練習時のしんどさになるまで、Borg・心拍数・血圧・SpO2を確認しながら負荷量を増加。負荷量が45Wまで自覚症状はなし、HR130以上で負荷量が75W の時に練習時のしんどさに近づいたと訴えがあり終了。運動中の不整脈はなし。運動指導として、HRのモニタリング方法と休憩のタイミングについて説明。換気効率の改善に関しては胸郭の硬さも認めたため、ストレッチポールなど胸郭ストレッチについて指導。
【考察】CPXの結果では本症例の運動耐容能は標準的レベルであったが、運動量に合わせた換気応答が難しく、高強度の持久性運動が困難となっていた。 運動中の心拍数変化と息切れ感を指導したことで呼吸調整の必要性を理解され、より具体的な指導につながった。
【結語】先天性心疾患児に対するCPX評価は、より具体的な運動指導の一助になる。
【目的】運動中に過換気症状を認めていたEbstein奇形術後患者に心肺運動負荷試験(以下CPX)を施行し、その結果に基づき運動指導を実施したので、知見を加えて報告する。
【症例紹介】女児、在胎38週2792gで出生し生後6日にPDA閉鎖。4歳2ヶ月時に三尖弁形成術・右房縫縮術・右房化右室起源のVTに対するアブレーションを施行。 10歳時に転居にて当院に紹介された。中学生になり学校外のソフトボールチームに所属。練習中に過呼吸様の症状が出現し、休憩が増加していた。前医では運動可否の判断がつかず、当院で運動指導を含めてCPXを実施することとなった。
【CPXの結果と運動指導】CPXの結果は、ATVO2:20.2ml/min./kg、Peak VO2:33.2ml/min./kg 、VE vs VCO2 Slope:35.7、AT-1min WR:39W。9パネルで運動中の換気量の増加が少なく呼吸数による代償を確認。後日、リハビリ室にて39Wから自転車エルゴメータを開始し、練習時のしんどさになるまで、Borg・心拍数・血圧・SpO2を確認しながら負荷量を増加。負荷量が45Wまで自覚症状はなし、HR130以上で負荷量が75W の時に練習時のしんどさに近づいたと訴えがあり終了。運動中の不整脈はなし。運動指導として、HRのモニタリング方法と休憩のタイミングについて説明。換気効率の改善に関しては胸郭の硬さも認めたため、ストレッチポールなど胸郭ストレッチについて指導。
【考察】CPXの結果では本症例の運動耐容能は標準的レベルであったが、運動量に合わせた換気応答が難しく、高強度の持久性運動が困難となっていた。 運動中の心拍数変化と息切れ感を指導したことで呼吸調整の必要性を理解され、より具体的な指導につながった。
【結語】先天性心疾患児に対するCPX評価は、より具体的な運動指導の一助になる。