第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演(多領域専門職部門)

患者教育・プレパレーション

一般口演(多領域専門職部門)2(II-TRO02)
患者教育・プレパレーション

2019年6月28日(金) 15:50 〜 16:50 第4会場 (中ホールA)

座長:宗村 弥生(山梨県立大学 看護学部)
座長:宗川 一慶(榊原記念病院 看護部)

[II-TRO02-03] 成人移行期支援としてのフォンタン手術後患者への集団教育 -体験型教育プログラムを実施して-

熊丸 めぐみ1, 池田 健太郎2, 木島 久仁子3, 藤井 美香3, 福島 富美子3, 大嶋 瑛4, 瀬下 愛子4, 都丸 健一5, 下田 隼人6, 重田 夢華7, 小林 富男2 (1.群馬県立小児医療センター リハビリテーション課, 2.群馬県立小児医療センター 循環器科, 3.群馬県立小児医療センター 看護部, 4.群馬県立小児医療センター 歯科, 5.群馬県立小児医療センター 放射線課, 6.群馬県立小児医療センター 臨床工学課, 7.群馬県立小児医療センター 生理検査課)

キーワード:移行期支援, フォンタンの会, 体験型教育プログラム

【はじめに】フォンタン手術は非生理学的な血行動態であり、多くの遠隔期合併症が報告されている。そのため、より良いQOLを得るためにも小児期からの適切な患者・家族教育が重要視されている。当院ではフォンタン手術後患者と家族を対象とした成人移行期支援外来を開設し、集団教育としてフォンタンの会を開催している。今回、低学年患者を対象に、自ら体験しながら学習してその後の自立につなげることを目的とした体験型教育プログラムを実施したので報告する。【対象と方法】4~12歳のフォンタン手術後患者20名が参加した。診察室で医師に自分で体調を伝えることができることを目的とした「診察体験」、レントゲンや心エコー検査について学び安心して検査を受けることができることを目的とした「放射線検査体験」、「心エコー検査体験」、医療機器を学ぶことを目的とした「医療機器体験」、カテーテル検査時の固定の必要性を理解することを目的とした「シーネ固定体験」、呼吸ポンプや骨格筋ポンプの重要性を学ぶことを目的とした「リハビリ体験」、感染予防の重要性を学ぶことを目的とした「手洗い体験」、口腔衛生の重要性を学び安心して歯科通院できることを目的とした「歯みがき体験」の8つプログラムをグループで体験してもらった。【結果】参加者からは「実際に体験できたので楽しかった」との感想が多かった。また、フォンタンの会終了後には「検査が上手にできて先生にほめられた」などの感想が得られた。ご家族からは「検査の時に自信をもってのぞめたようだ」、「資料があったので家でも一緒に復習できた」などの感想のほか、「薬や栄養についても学んでもらいたい」といった要望もあがった。【まとめ】低学年患者を対象に体験型教育プログラムを実施した。模擬体験から成功体験を得ることで、自己効力感の向上や医療行為によるトラウマの軽減、自立意欲を引き出す契機につながるものと思われた。