[II-TRP01-01] 障がい児をあずかる施設の一次救命・危機管理体制の現状と課題
キーワード:一次救命, 障がい児, 施設
【目的】都内にある障がい児をあずかる施設における一次救命・危機管理体制の現状と課題を明らかにする。【方法】自記式質問紙調査。調査期間は2018年3月~5月である。【倫理的配慮】施設管理者宛に説明文書および質問紙を郵送し、質問紙の返信をもって同意を得た。研究者らの所属大学の倫理委員会の承認を得ている。【結果】84件について分析を行った。設置主体は公的施設11件、NPO16件、社会福祉法人18件、企業経営27件、その他10件であった。受け入れ人数は平均16.61(±19.4)人であった。受け入れている児の年齢は0~18歳であり、常時、医療的ケア児がいる施設は35件(41.7%)であった。勤務者人数は平均7.61(±6.01)人であり、毎日、看護職がいる28件(33.3%)、医師がいる1件、救命処置の資格者がいる26件であった。毎日ではないが、救命講習をうけた職員がいる39件(46.4%)、施設内で救命研修を実施している26件(31.7%)であった。AEDを設置している施設は30件(35.7%)であったが、AEDの使用経験はなかった。AEDを設置していない理由(複数回答)は、近くの施設にある15件、維持コストがかかる11件、設置を検討中10件、必要性がない9件であった。自由記述として「医療的ケアが必要な児童の緊急時対応への課題」、「必要性は感じているが、機会がない」「使用方法がわからない」「本当に対応できるか不安」「維持費がかかる」「そこまで手が回っていない」等があった。【考察】先行研究の保育園や学童保育所における一次救命・危機管理体制の現状と比較し、AED保有施設が若干少ないが、ほぼ同様の結果であった。近年、医療的ケア児は増加傾向であり、児の急変時の速やかな対応が望まれる。日中の一時あずかり施設でも、子どもの生命を守ることができる体制を整えていくことが急務であると考える。