[II-TRP01-05] 当院における小児心臓カテーテル検査の現状と課題
Keywords:小児心臓カテーテル検査, 安全安楽, スタッフ教育
【はじめに】当院では2015年7月より小児の心臓カテーテル検査(以下、心カテ)を開始した。これまで成人を対象とした心カテ検査や治療は行われていたが、小児を対象とした心カテは行なわれておらず、小児循環器経験がある看護師も少なかった。A病棟看護師が小児の心カテ介助を行うため、心カテチームを立ち上げ、子どもの成長発達を考慮し、安全・安楽に検査が行えるよう様々な取り組みを行った。そこで、これまで行った小児の心カテを振り返り、今後の課題を見出す。【方法】2015年7月~2018年12月に当院で施行した小児心カテ症例76例を、電子診療録を用いて後方視的に検討する。【結果】男児:41例、女児:35例、月齢(月):中央値9.5(0-204)、検査時体重(kg):中央値7.1(2.6-53)、染色体異常:16例(21.0%)、治療:9例(11.8%)、介助看護師:2015年度 6人(経験年数:中央値9年(2-22))、2018年度 9人(経験年数:中央値 11年(3-25))【取り組み】心カテチームを中心に、小児先天性心疾患について院内での学習会及び院外研修に参加し学習を深めた。家族への術前オリエンテーション、他職種とのシミュレーション、心カテ後の固定具作成などを行い、心カテ検査が安全・安楽に行えるよう看護を検討した。心カテ開始当初、介助を行える看護師の経験年数の中央値は9年で、心カテチームの2名で介助を行っていた。そのため、今後は心カテチームだけでなく、子どもの成長発達に応じた看護が提供でき、かつ小児循環器の知識を有する介助スタッフの育成が重要であると考える。現在は心カテ介助の様子をビデオ撮影した教材を作成し、心カテ手順の見直しを行い、心カテチーム以外の看護師が介助を行えるよう教育している。【まとめ】3年で76件の心カテを実施した。今後、後進の育成に重点を置き、質の高い小児の心カテ介助を行えるようさらに検討していく。